資格がないと就けない仕事もある専門性の高い資格は、就職や転職に有利!
資格は仕事に直結しているものや、仕事に関連した引き出しを増やしたり、技能のスキルアップにつながったりするものなど、種類も数も豊富です。なかには「こんな仕事に就きたい」と思っても、医師や弁護士などに代表される、有資格者でなければできない業務(業務独占資格)があることを知っておきましょう。もし、これらの職業に従事することを目指すなら、自ずと資格取得が“必須”になることはいうまでもありません。
そこで、これらの業務に限らず、資格は「何のために取得するのか」という目的意識が大切になります。どんなに難易度が高い資格や数多くの資格を持っていても、いまの仕事や就職・転職希望先企業が求めるスキルと異なっていれば、評価の対象外――「宝の持ち腐れ」になりかねません。そうならないためにも、業務内容や職種別に(営業職・事務職・技術職など)、どんな資格が求められているかを判断する必要があります。
希望職種に関して専門性が高く、難易度も高い資格取得は、「自己啓発の姿勢(やる気)が伺える」と、人事担当者の評価につながり、就職や転職にプラスに働きます。また、今後社会的に需要が高くなる新しい資格をチェックし、取得しておくことも就職・転職の優位性アップにつながるはずです。
いま働いている職場でのスキルアップやキャリアアップを目指すなら、資格取得にチャレンジする前にもう一度、「仕事をよりスムーズに進めるためにはどんなスキルが必要なのか」、「将来自分はどのような方向に進みたいのか」などを考えることをおすすめします。
国家資格と民間資格はどう違うの?」
資格は大きく分けて、「国家資格」「民間資格」の2つに分類されます。まずは、それぞれの特性を知っておくことが、あなたの資格を生かすことへの近道に!
法律に基づいて、国や国から委託された機関が実施する試験を通じ、知識や技術が定められた水準以上であると国が認定するもので、大きく3種類の資格に分類できます。資格取得の難易度は高いものが多いですが、その分信頼性や安定性も高く、特に業務独占資格は独立開業も目指せる資格として知られています。
民間の団体や企業が、独自の審査基準を設けて認定する資格。スコアによって国際的な英語力が評価されるTOEIC®テストや、Microsoft®が自社製品に関する一定水準以上の技術の有無を判断するマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)などのベンダー資格、そのほかご当地検定といった趣味系の資格などバラエティ豊かで、共通するルールがないのもひとつの特徴となっています。民間資格は、社会のニーズに合わせて自由につくることができるため、数多くの新資格が生まれています。自分の現在、または将来に何が役立つかをしっかり吟味して、積極的にチャレンジしてみてもいいでしょう。
以前、簿記検定、秘書検定、カラーコーディネーター検定などは関係省庁から認定を受けた公的な検定試験制度であり、「公的資格」と呼ばれていましたが、現在は認定制度がなくなったため、民間資格との境界線が曖昧になっています。しかしこれらの資格のなかには、いまも文部省や厚生労働省などの省庁や地方公共団体が、後援という形で推奨している資格もあります。また、商工会議所や公益法人などの公的な団体が主催し、国家資格に準じた高い知識や技能レベルを維持しているものも多く、就職・転職に結びつく資格として認知度も高いのが特徴。流行や世相に影響されて人気が乱高下しがちな民間資格にあって、高止まりの人気を誇っています。
自身のキャリアアップはもちろん、就職・転職時のアピールポイントにも!
仕事に関してキャリアアップを図るためには、いまの自分の立場を見極め、必要なことを学んでいく姿勢が大切。その有効な手段となるのが資格の取得です。
例えば不動産業における宅地建物取引士のように、特に専門性の高い業種ではキャリアアップに必須といえる資格も存在します。そして、資格を取得すれば別途手当てが支給されたり、給与面でも優遇されたりすることも少なくありません。
しかし、キャリアアップに資格が欠かせないとわかっていても、業種によっては「数多い資格のなかからどれを選んだらよいかわからない」ケースも。その場合は、「自分が将来、どんな仕事をしたいのか」と、真剣に向き合ってみるのが正解!単なる資格取得にとどまらず、転職を含めた将来のキャリアプランを明確にするためにも、いい契機となるはずです。
キャリアプランが明確になれば、場当たり的ではなく将来を見据えた実務に有効な資格取得を目指すことができ、資格の学習自体が自身のスキルアップにもつながっていきます。
資格を持っていれば、いろいろな点でメリットがあります。それは就職・転職の際にもいえることです。ただし、資格なら何でもいいというわけではありません。資格取得の優位性は、企業が求めている資格と、自分が取得している資格がマッチして初めて実現すること。
注意してほしいのが、“数撃てば当たる”的なその仕事に不要な資格の列挙は、かえってマイナス評価につながりかねないという点です。企業は、「業務遂行の即戦力になりうる資格」を持った人材を求めているからです。そのためには、対象となる企業のニーズがどの分野の資格にあるかを知ることが重要。新事業展開を考えている企業なら、それに見合った資格取得は好印象につながります。
これらの条件を満たし、さらに専門性の高い資格、難易度の高い資格を持っていたならば、確実に企業から高い評価を得られるでしょう。
資格は、「自分のスキルとやる気の証明書」でもあります。就職や転職に関しては、履歴書の資格欄に書かれた、「〇〇1級」「〇△士」という1行が大きな武器にもなります。だからこそ、しっかりと自分の将来に必要な資格はどれなのかを見定めて、資格取得にチャレンジしたいものです。
試験合格・講座受講・専門機関卒業など取得条件も資格によってさまざま
3,000以上もあるといわれている資格ですが、その取得条件や受験資格はそれぞれ違っています。
意外と知られていませんが、国家資格のなかにも講習のみで取得できるものや講習+実技試験(あるいは筆記試験)で簡単に取得できるものも。防火管理者や食品衛生責任者など、業務によっては必要不可欠な資格も多くあるのでチェックしてみるといいかもしれません。また国家資格には、指定された学校(大学や短大など)で指定の課程・科目を修了し、卒業後に申請することで取得できる教諭員免許状や保育士、栄養士などといった資格もあります。もちろん民間資格にも、講習・講座のみで取得できる資格も多く存在します。
一方、信頼性や専門性が高い国家資格や民間資格の取得は、受験申請→検定試験受験→合格→資格取得というのが一般的な流れになります。しかし一定の要件(学歴や実務経験などの受験資格)を満たさなければ、出願(受験)さえできないものがあります。その場合は、その要件(受験資格)を満たすために指定の講習や実務研修を受けたり、時には指定の業務に就いて経験を積んだりすることも必要になってくるのです。
目指している、もしくは今後目指す資格があるなら、受験資格要件、取得条件をしっかりチェックすることからはじめるのがおすすめです。そして資格取得にチャレンジすることを決めたなら、安易に取れる資格ではなくできるだけ目標を上に設定することも肝心。そうすれば、学習すること自体が自分の成長を促してくれるはずです。