デジタル社会を支えるIT系国家試験

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は、経済産業省が「情報処理の促進に関する法律」に基づき、情報処理技術者としての知識や技能が一定水準以上であることを認定する国家試験です。情報処理技術者試験は、情報システムを利用する一般ユーザーから、情報システムの構築、運用、監査に携わるプロフェッショナルまで、4つのレベル、12の試験区分で構成され、ITに関わるすべての人が活用できるように体系化されています。

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情報処理技術者試験とは 情報処理技術者試験合格者が活躍できるフィールド ワーク・ライフ・バランス 社会的需要 魅力・やりがい 情報処理技術者試験に合格するためには おすすめの学習プラン

情報処理技術者試験に合格すると・・・

□情報処理技術者としての知識・技能を客観的に証明できる!
□ITスキルを分野別に証明できる!
□IT社会の進展で増えるニーズに応えられる!

情報処理技術者試験は、特定のベンダーが提供する製品やソフトウェアに関する知識を問うものではありません。情報技術の原理や基礎を踏まえ、実務に耐えうる総合的な知識を評価するため、技術力と信頼性を重視する企業や行政などから高い評価を得ています。

また、情報処理技術者試験は一般ユーザーからITのプロフェッショナルまで、幅広い層のITスキルを客観的に評価する試験制度であるため、どのIT分野に強いのか、第三者の目からもスキルレベルが判断しやすく、就職や転職、キャリアアップの際には力強い味方になってくれるでしょう。
情報システムは社会のインフラのひとつであり、その領域はいまも拡大し続けています。IT人材のニーズは今後、さまざまな業種や業界で増えていきます。情報処理技術者試験は、キャリアアップのチャンスを広げたいと考える人におすすめです。

【情報処理技術者試験とは】

4レベル、12区分で
技術力と専門性を証明

情報処理技術者試験制度は、将来のコンピュータ利用の拡大とITエンジニアの不足を見越し、高度経済成長期にあたる1969年に創設されました。以来、幾度かの試験制度の見直しを経て、現在までの応募者数は2018年3月時点で、延べ1,949万人以上、合格者数は延べ258万人以上に達するなど、IT系試験のスタンダードとして定着しています。

情報処理技術者試験制度は、将来のコンピュータ利用の拡大とITエンジニアの不足を見越し、高度経済成長期にあたる1969年に創設されました。以来、幾度かの試験制度の見直しを経て、現在までの応募者数は2018年3月時点で、延べ1,949万人以上、合格者数は延べ258万人以上に達するなど、IT系試験のスタンダードとして定着しています。

情報処理技術者試験は難易度に準じて4レベル、12区分に分類され、そのうち、2区分が「IT利用者向け」、10区分が「技術者向け」にわかれています。また、情報処理技術者試験とは別に「情報処理安全確保支援士試験」(SC)という国家資格も存在します。

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【情報処理安全確保支援士とは?】
情報処理安全確保支援士試験は、サイバー攻撃や情報漏洩などから企業や組織を守る人材を育成するために誕生した国家資格です。試験合格者は、所定の登録手続きを行うことで「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」として認められます。
また、サイバーセキュリティの世界は、非常に変化が激しいことから、高度なスキル・技能・倫理観を維持するために、年に1回のオンライン講習(6時間/2万円)と、3年に1回の集合講習(1日/8万円)を受講することが義務づけられています。
情報処理安全確保支援士は、以前は「情報セキュリティスペシャリスト」と呼ばれ、情報処理技術者の区分に含まれていましたが、サイバーセキュリティニーズの拡大により資格内容が見直され、2017年に名称を改めて新たな国家資格として独立しました。

情報処理技術者試験合格者のおもな業務とは……

・試験対策で得た知識を業務に活かせる

情報処理技術者試験に合格しなければできない独占業務はありません。しかし、高度化、複雑化するIT社会の現状を見る限り、情報処理技術者はなくてはならない存在といっても過言ではないでしょう。情報処理技術者試験に合格するために学んだ知識は、IT企業のみならず、一般企業や行政、公的団体、非営利団体など、ITを活用するすべての場所、さまざまな業種、業態で活かすことができます。

IT利用者向け

ITパスポート試験(略称:IP)
対象  IT利用者
レベル1 ★☆☆☆

ITが生活や仕事に深く浸透するなか、情報技術の基礎から使用上の注意点やモラル、法令、経営との関わりまでを知ることはとても重要です。IT パスポート試験は、情報処理技術者試験のなかでもっとも基礎的な知識を証明する試験であり、職業に関わらず、すべての人が備えておくべきITスキルを証明する試験です。基礎的な試験とはいえ、出題分野は、ストラテジ系(企業と法務・経営戦略・システム戦略)、マネジメント系(開発技術・プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント)、テクノロジ系(基礎理論・コンピュータシステム・技術要素)の3分野におよび、広範な知識が問われます。AI、ビッグデータ、IoTなど、近年話題になることが多い技術領域も出題範囲に含まれるため、最新技術知識の証明に役立ちます。ITパスポートは、2009年度の試験開始以来、およそ39万人もの合格者を生み出している人気の試験です。レベル2以上の試験区分を目指す方にもおすすめです。

情報セキュリティマネジメント試験(略称:SG)
対象  IT利用者、ITの安全な利活用を推進する責任者
レベル2 ★★☆☆

生活全般がネットワークにつながる現在、情報セキュリティの重要性は日増しに高まっています。個人情報の漏洩を防ぎ、標的型攻撃などからシステムを守るのは、企業や組織の社会的な責務といえます。情報セキュリティマネジメントは、ユーザー側の立場から安全なIT利用を推進するために必要なスキルを認定する試験です。

技術者向け

基本情報技術者試験(略称:FE)
対象  プログラマ、システムエンジニアなど
レベル2 ★★☆☆

基本情報技術者試験は、応募者総数が約882万人、合格者総数は約106万人と、情報処理技術者試験のなかで、もっとも応募者数が多い試験区分です。試験合格者は「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能を持ち、実践的な活用能力を身につけた者」と定義され、プログラマやシステムエンジニア職に求められる、基本的な知識を有することを証明することができます。試験の対象となる分野や用語は、最新の技術動向を踏まえ、随時見直しが図られています。また2019年の秋期試験を最後に、午後試験で出題されるプログラム問題から、受験選択が大幅に減少している「COBOL」言語が廃止され、2020年春期試験からは、機械学習や深層学習などに利用され、需要が増加している「Python」言語が加わることになりました。

応用情報技術者試験(略称:AP)
対象  システムエンジニアなど
レベル3 ★★★☆

応用情報技術者試験は「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」とされているように、基本情報技術者よりも専門的で高度な知識と技能を持つことを証明する試験区分です。システム設計や開発業務、汎用的な製品を組み合わせることによって、さまざまな業務上の課題を解決できる知識が求められます。出題形式については、基本情報技術者試験が午前試験、午後試験ともに多肢選択式であるのに対し、応用情報技術者試験の午後試験は、記述式であるため、体系化された高いレベルの知識が必要なのも特徴です。

ITストラテジスト試験(略称:ST)
対象  ITストラテジスト、上級システムエンジニアなど
レベル4 ★★★★

企業経営や業務の特性を踏まえて、組織が抱える課題の改善策や最適化のためのIT戦略を立案し、それを実現するのに必要な高度な知識と能力を持つことを認定する試験区分です。システム設計や開発業務の前提となる経営方針や経営戦略に関わるため、試験に合格するには、技術的知識に加えてビジネスに対する見識が欠かせません。

システムアーキテクト試験(略称:SA)
対象  システムアーキテクト、上級システムエンジニアなど
レベル4 ★★★★

企業などの組織が抱える課題を解決するために、どのようなシステムを開発すべきかを構想し、システムの基本設計に落とし込むのがシステムアーキテクトの役割です。そのため、システムアーキテクト試験においては、業務分析や業務知識など、システムの要件定義に不可欠な専門的知識が問われます。

ネットワークスペシャリスト試験(略称:NW)
対象  ネットワークエンジニア、インフラエンジニアなど
レベル4 ★★★★

ネットワークスペシャリストは、情報システムの基盤となるネットワークシステムの企画、設計、開発、運用・保守に携わるうえで欠かせない知識を持つことを示す試験区分です。システムとシステム、システムとユーザーをつなぐネットワークは、情報社会における血管や神経に相当する重要な社会インフラ。ネットワークスペシャリストには、その中心的な役割を果たすことが求められています。

プロジェクトマネージャ試験(略称:PM)
対象  プロジェクトマネージャなど
レベル4 ★★★★

システム開発の規模が大きくなればなるほど、プロジェクトの進捗管理に携わる専門職の必要性が増していきます。プロジェクトマネージャは、システム開発に関する工程管理から予算管理、品質管理に責任を負う立場。ヒト、モノ、カネをコントロールし、システム開発を計画通りに進めるための高度な知識が求められる試験区分です。

データベーススペシャリスト試験(略称:DB)
対象  データベースエンジニア、インフラエンジニアなど
レベル4 ★★★★

ビッグデータ時代を迎え、情報システムに用いられる情報は増加の一途を辿っています。こうしたデータを格納するデータベースの設計と、開発、運用などを手掛けるのがデータベースエンジニアです。効率的なデータ処理は、情報システムの優劣を決める重要な要素のひとつ。データベーススペシャリストは、文字通りデータに関する専門知識によってシステム開発に貢献します。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験(略称:ES)
対象  組み込みエンジニアなど
レベル4 ★★★★

家電製品や通信機器、自動車などに内蔵されるハードウェア用の制御ソフトウェアを設計、開発するのがエンベデッド(組み込み)エンジニアです。エンベデッドシステムスペシャリストは、ハードウェア、ソフトウェア両面の専門知識を有し、電子制御系システム開発プロジェクトを主導できる能力を示す試験区分です。

ITサービスマネージャ試験(略称:SM)
対象  サービス運用エンジニア、インフラエンジニアなど
レベル4 ★★★★

情報システムの安定稼動や継続的な改善、品質管理、障害発生からの迅速な復旧に責任を負うサービス運用エンジニアや、インフラエンジニアが知っておくべきリスクやコスト管理を含む専門知識を問うのが、ITサービスマネージャ試験区分です。試験に合格すると、高い信頼性と安定性が求められる情報システムの運用などで力を発揮できます。

システム監査技術者試験(略称:AU)
対象  システム管理者、セキュリティ管理者、ITコンサルタントなど
レベル4 ★★★★

企業の運営する情報システムが、実際の経営に貢献しているかどうかを客観的な立場で調査し、問題があれば是正勧告を行うのがシステム監査技術者の役割です。効率性や信頼性、可用性、機密性などの観点から監査を行うため、合格するには、ITはもちろん、企業活動全般に関する知識が求められます。

【情報処理技術者試験合格者が活躍できるフィールド】

ITの利活用ニーズが広がるなか
場所や領域を問わず活躍できる

●働く場所−企業や行政、教育、非営利団体など、ITの利活用ニーズがあるすべての場所で活躍できます。

●活躍の場−情報システムの利用から、企画、設計、開発、運用・保守、監査まで、また業務の遂行から部下への指導や教育まで、幅広い領域に活かすことができます。

前項で説明したとおり、情報処理技術者試験は12区分に分かれており、それぞれの専門性や技能は、IT企業に限らず、ITの利活用ニーズがあるすべての場所で活かすことが可能です。また、専門知識を活かせる領域だけでなく、日常業務の遂行や従業員教育、IT戦略策定から開発実務まで、非常に幅広いニーズに対応できるのも、情報処理技術者の特長といえます。

【ワーク・ライフ・バランス】

情報処理技術者は
ワークスタイルの健全化に貢献する

【ワークスタイル】
情報システム、ITサービスは、わたしたちの生活の隅々にまで行きわたっており、情報処理技術者試験の知識を活かせる場は社会全体に広がっています。特定のワークスタイルを示すことは難しいですが、試験勉強で得た知識は、事務や営業などの一般職から、エンジニアなどの開発職まで、また会社員からフリーランス、民間から公共までと、幅広い分野で働く人々のワークスタイルの健全化に役立っています。

【仕事の継続性】
企業などが利用する情報システムはもちろん、わたしたちが日常的に利用している各種ウェブサービスやスマホアプリを見てもわかる通り、ITが果たす役割は日増しに重みを増しています。その反面、適切な利用、開発、運用がなされなかったために、個人情報の流出やサービスの停止を招き、多くの人々に被害を与えることも少なくありません。テクノロジーの進歩は、効率化や利便性の面で多くの利点を生み出す一方、犯罪や過失といった新たな不利益を生み出す恐れもあります。ITの適切な扱いを熟知した情報処理技術者への期待は、今後ますます大きくなるのはまちがいないでしょう。

【転職・スキルアップ・キャリアアップ】
情報処理技術者試験は、技術力を示す客観的な指標として幅広く普及しています。民間企業はもちろん、官公庁や地方自治体、警察や自衛隊などの公的機関で技術系職種の応募条件になることもあるなど、その信頼性は折り紙つき。業務遂行に役立つだけでなく、就職や転職、昇進、昇格などにもメリットが大きい試験といえるでしょう。

【社会的需要】

深刻なエンジニア不足が進むなか
情報処理技術者への期待が高まる

高機能スマホやクラウド、IoT、人工知能など、さまざまなテクノロジーが登場するなか、これらを活用したさまざまなITサービスが登場しています。こうしたITサービスに携わるエンジニアのニーズは高まっていますが、2019年を境にIT人材の供給力が低下すると見られています(経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」による)。エンジニア不足が深刻さを増すなか、年間、延べ10万人程度が有資格者となる情報処理技術者への期待はますます高まっていくことでしょう。

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【魅力・やりがい】

高度な専門スキルに見合った
評価や信頼が得られる

情報処理者技術試験に合格していると、どの程度のITスキルを持っているかを客観的に証明できるため、勤め先や取引先から、信頼を得やすいという魅力があります。また、試験合格のための学習は、業務で身につけた専門性やITスキルを体系化するうえでも非常に有用です。情報システムの利用や開発にあたり直面するリスクを回避したり、効率的な情報システム開発を行ううえで、情報処理技術者が持つ高度な知識はとても役立ちます。仕事やキャリアに活かせる、合格して損はない試験といえるでしょう。

【情報処理技術者試験に合格するためには】

受験資格はなくどの試験区分からでも受けられるが
区分によって難易度は異なる

情報処理技術者試験には、受験資格はありません。また、各試験区分には1から4までのレベルが設定されていますが、どの試験区分からでも受けることができます。受験日については、ITパスポートは通年で受験が可能ですが、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者、応用情報技術者は、春期、秋期の年2回。そのほかの区分は、年1回の実施となります。

合格率は現在、おもに非エンジニアを対象としたITパスポートと情報セキュリティマネジメントは60%程度で、それ以外の区分は10%台から20%台とかなりの難関。専門性も難易度も高いので、豊富な実務経験を持つ社会人が有利といえそうです。

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【おすすめの学習プラン】

「午前試験免除制度」の対象コースがある
通信教育・資格スクールがおすすめ

学費を安く済ませたい場合や実務経験が豊富な人であれば、レベル4クラスの試験区分も独学で受験可能です。しかし、通信教育や資格スクールには、独学にはないメリットがあります。それは、「要点を絞って学習できる」こと、そして「午前試験免除制度の対象コース」があることです。情報処理技術者試験はどの試験も学習範囲が多岐にわたるため、出題頻度の高い重要項目をいかにおさえるかがポイントとなります。通信教育や資格スクールはその点において効率的に学べるようカリキュラムが組まれています。午前試験免除制度があるのは基本情報技術者試験のみですが、要件を満たしたコースを受講すれば午前の試験が免除されるので、午後の試験に集中できるというメリットが得られます。試験当日の負担を減らす意味でも、午前試験免除制度の対象コースがある通信教育や資格スクールを選ぶのは、賢い選択といえそうです。 

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