国民の安心・安全を守る

警察官

警察官のおもな仕事は、市民生活を脅かす犯罪から市民を守ることであり、困っている人を助けることのできる、とてもやりがいのある仕事です。小説やドラマでも、犯罪と戦う警察官の活躍が描かれることがありますが、実際はどんな世界なのでしょうか。「警察官」の実際の仕事内容やその魅力、警察官になる方法などについてご紹介します。

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警察官とは 警察官が活躍できるフィールド ワーク・ライフ・バランス 社会的需要 魅力・やりがい 警察官になるためには おすすめの学習プラン

警察官になると・・・

□国民の安全を守る、やりがいのある仕事で活躍できる
□公務員としての安定した生活保障がある
□女性が活躍できる

市民の、そして社会の平和を守る警察官の仕事は、さまざまな犯罪から人々を守る仕事です。そのため危険を伴う仕事ではありますが、その分やりがいを実感できる仕事でもあります。多くの警察官が、「地域のために働きたい」「困っている人を助けたい」という熱い思いをもって警察官を目指し、そして実際に仕事にあたっています。「人々の暮らしを守る仕事」に携わることができることは、警察官としての一番の魅力といえるでしょう。

警察官は公務員の一種です。そのため、とても人気のある仕事でもあります。公務員の魅力のひとつは何といっても「安定していること」。一般企業と異なり、景気に左右されることがなく、倒産してしまうこともありません。給与は比較的高く、福利厚生も充実しているため、安定した生活を送ることができるでしょう。

また、実力主義の世界であるため男女差別もなく、女性にとっても働きやすい環境といえます。なんとなく男性社会のイメージがある警察官ですが、女性警察官は年々増加しており、平成28年時点では全体の8.5%が女性警察官です。性犯罪や配偶者からの暴力事案等の捜査、被害者支援など、女性の特性を活かせる仕事も多く、広い分野で女性警察官が活躍しています。

【警察官とは】

各都道府県に配置された、
国民の安心・安全を守る一大組織

警察組織は、各都道府県に置かれた都道府県公安委員会が、都道府県警察を管理しています。都道府県警察には、警察署が置かれ、その下に交番や駐在所が置かれています。

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警察官のおもな活動は、下記のとおりです。
①地域警察
地域の人々にとってもっとも身近な存在である「地域警察」。交番勤務のお巡りさんも地域警察に該当し、24時間管轄地域の安全を守っています。

②交通警察
交通取締りをはじめ、交通ルールの重要性をドライバーに指導するといった教育も交通警察の重要な業務。人気の白バイ隊員も交通警察です。

③刑事警察
テレビドラマなどでよく見かける「刑事」は、事件発生とともに現場に駆け付け、現場検証のうえ、事件の捜査に全力を尽くします。殺人や強盗は捜査第一課、振り込め詐欺は捜査第二課と、担当が分かれています。

④生活安全警察
ひったくりや空き巣などの防犯活動、少年が関与する犯罪、ストーカーや悪徳商法などの犯罪に取り組みます。街中での補導活動なども、生活安全の業務の一環となります。

⑤組織犯罪対策
暴力団、外国人犯罪組織等の凶悪犯罪を対象とします。

⑥警備警察
国内外の要人の身辺警護や、お祭り・花火大会などの混雑時の事故防止のための警備、災害時の避難誘導などを行います。また、機動隊も警備警察所属であり、デモの整理や暴徒の鎮圧に対処します。

【警察官が活躍できるフィールド】

採用された都道府県内での勤務が基本
国家公務員採用の場合は全国が活躍のフィールドとなる

●働く場所- 地方公務員採用の場合、採用された都道府県内での勤務となり、転勤も同都道府県内となる。

●活躍の場- 誰もが交番勤務からはじまり、本人の能力や希望によって、刑事部門や交通部門など、それぞれの希望の部門へ配属される。

<働く場所>
多くの警察官は地方公務員として採用されています。そのため、採用された都道府県内での勤務が原則となり、転勤も同じく採用された都道府県内のみとなります。一方、いわゆる「キャリア組」と呼ばれる、国家公務員採用試験(総合職)を合格して警察官となった国家公務員である警察官は、「警察庁」に採用され、警察官僚として全国の警察本部や警察署で管理者として活躍します。そのため、キャリア組は転勤も全国各地が対象となり、その数も昇進すればするほど増えていきます。

<活躍の場>
警察官が活躍するフィールドは幅広く、住民と密に接する交番・駐在所勤務から、交通事故を防止し、交通取り締まりを行う交通警察、犯罪現場に駆け付け解決を図る刑事警察、空巣やひったくり、振り込め詐欺等の犯罪に対する生活安全警察までさまざまです。
ここでは警察学校を卒業後、まず誰もが経験する「交番勤務」についてみていきましょう。

(勤務形態)
交番勤務の警察官は、三交替制勤務を基本としています。(警視庁は四部制勤務)
1日目(当番)→2日目(非番)→3日目(公休日)または日勤
3日に一度の勤務を行い、勤務後は非番となります。
勤務時間は15時間30分で、休息・休憩時間8時間30分を含めた24時間拘束となります。

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(おもな活動内容)
警察官の中で私たちにとって一番身近な存在といえる「交番のお巡りさん」。警察学校卒業後は、すべての警察官がこの交番勤務を経験することになります。交番には、警察官の職務の基礎となる要素がすべて含まれており、小さな警察署とも呼ばれています。

地域内のパトロールでは不審者に対する職務質問を行い、各家庭や事業所を訪問する巡回連絡、駐車違反の取り締まりや指導、落とし物・拾い物の受理や保護、通勤・通学の安全を見守る立番など、その業務内容もさまざまです。

【ワーク・ライフ・バランス】

週休2日制が基本で、他の公務員に比べ給与も優遇
年功序列や学歴に関係なくキャリアアップを目指せる

【ワークスタイル】
週38時間45分勤務、原則として週休2日制ですが、職種や勤務場所によっていくつかの形態に分けられます。
●通常勤務(幹部、内勤者、警察本部に勤務する者など)
土日祝日、年末年始は休日となります。
勤務時間は通常8:30~17:15(都道府県により異なる)
月に数回の宿日直勤務があります。

●毎日勤務(警察署の刑事課、交通課など)
4週間に8日の休み。土日祝日は必ずしも週休・休日ではありませんが、その分は、平日に振替となります。
勤務時間は通常8:30~17:15(都道府県により異なる)
月に数回の宿日直勤務があります。

●交代制勤務(交番、通信指令室、機動捜査隊など)
4週間に8日の休み。当番(通常8:30から翌日の8:30のうち、15時間30分勤務)、非番、休み(または日勤)を決められたローテーションで週38時間45分勤務する形態。
通常は3日ごとに当番勤務がありますが、翌日は非番として休養します。
※「2020年度版 警察官になるための早わかりブック(実務教育出版)」参照

休暇も20日の年次有給休暇や、慶弔・夏季・結婚・出産などの特別休暇もあり、充実しているといえるでしょう。

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【仕事の継続性】
警察官の給与は、ほかの公務員よりも優遇されています。扶養手当や住居手当、特殊勤務手当や時間外勤務手当など各種手当や補償が手厚く、期末手当・勤勉手当(ボーナスにあたる)は6月と12月の年2回支給され、給与の約4カ月分になります。危険でハードな仕事ではありますが、そのぶん手厚い待遇を受けることができるため、継続性の高い仕事ともいえるでしょう。

また、女性にとって気になる、「結婚・出産後にも仕事を続けられるのかどうか」という点については、実際に仕事と家庭を両立している女性警察官が多くいます。子どもが3歳になるまで育児休業を可能とする「育児休業制度」は、男性・女性ともに取得可能で、出産予定日の前後8週間休暇を取ることができる「出産休暇」のほか、妊娠障害休暇など、継続的に働くための多くの支援制度が用意されています。出産、育児に関する休暇以外にも、家族を介護・看病するために取得できる「介護休暇」などがあり、男性も取得可能となっています。

【キャリアアップ】

警察官は、個人の実力によりキャリアアップできる職場です。警察官になりたての頃は、学歴によって昇任のスピードが異なります。大学卒業者は採用後2年、短大卒業者は4年、高校卒業者は5年で巡査部長(主任)への昇任試験を受けることができます。しかし、その後は年功序列や性別、学歴に関係なく、本人の努力と実力によって上位の階級へと上がることができます。

<階級>
巡査→巡査長→巡査部長→警部補→警部→警視→
警視正→警視長→警視監→警視総監

地方公務員は「警視」までとなり、「警視正」以上は国家公務員となります。地方公務員として都道府県警察本部や警視庁に勤務する場合も、警視正以上の階級となった時点で「国家公務員」になります。

【社会的需要】

いつの時代も必要とされる職業
努力次第で自分の専門性を活かせるチャンスも

公務員である警察官は、退職を希望したりしない限り、定年まで勤めることのできる職場です。国民の平和・安全を守る警察官は、いつの時代も変わらず必要とされる仕事のひとつで、今後も変わることなく社会的需要は高いといえるでしょう。

警察官は努力次第でキャリアアップも可能で、自分の希望や専門性にあわせた業務に携わることができます。また、国際化、ハイテク化に伴い、それらの専門性を持った人材の採用を強めている都道府県も出てきており、語学力や専門知識を持った人材の重要性は今後より高まっていくでしょう。

【経験者採用試験】
最近は、民間企業などでの職務経験を持つ人を対象とした「職員採用選考考査」を実施する自治体が増えています。警視庁のサイバー犯罪捜査官などがこれにあたり、「ソフトウェア開発技術者又はこれに相当する資格を有し、かつ、民間等における3年以上の有用な職歴を有する」など、個別に受験資格が決められています。手口が複雑化・多様化する現代の犯罪に対応できる、組織作りが進んでいます。

【魅力・やりがい】

地域住民・社会の安全を守る仕事
さまざまな業務の中で知識や専門性を活かせる

●人の役に立てる仕事
社会にとって、「警察官」はなくてはならない仕事のひとつです。喧嘩の仲裁から、強盗やスリ、殺人などの犯罪捜査、夜間パトロールや交通違反の取締りなど、起きてしまった事故や事件に対処するのはもちろん、未然に防ぐためのパトロールなど、その業務は幅広く、日々私たちの生活の安全を守ってくれています。警察官の仕事の魅力は、人々の生活を守る要として、人の役に立てる仕事だということでしょう。
●地域の安全を守る
地方公務員として勤務する警察官は、その地域の管轄である警察署に配属されます。そのため、すべての業務が地域と密接に関わるものであり、「自分たちが街を守る」という強い意識を持って業務にあたっています。地域住民からの「ありがとう」という感謝の声がなによりの励みであり、やりがいを感じる瞬間でもあります。
●幅広いフィールドで活躍できる
警察官として活躍できるフィールドはたくさんあり、交番勤務のお巡りさんから、殺人事件や強盗事件などの犯罪捜査の第一線で活躍する刑事、ネット犯罪の発生を防ぐサイバーセキュリティ対策部門、麻薬捜査や遭難者の救助などに活躍する警察犬の仕事まで、仕事内容は多岐にわたります。そのため、それぞれの希望や適性によって活躍できるフィールドも異なり、自分がこれまで学んだ知識や専門性を活かす場で活躍することができます。

【警察官になるためには】

「警察官採用試験」に合格する必要がある
倍率は5~10倍と高い競争率となっている

警察官になるためには、各都道府県が実施する「警察官採用試験」に合格しなければなりません。採用試験は、「教養試験」「論文試験」「体力検査」「適性検査」「面接試験」などさまざまな試験が行われます。「教養試験」は、すべての都道府県の一次試験として行われ、成績上位者のみが二次試験へ駒を進められるため、とても重要な試験となります。

警察官採用試験は、受験資格さえあれば誰でも受験できます。重要なのは年齢で、各都道府県で受験年齢に上限が定められています。年齢の上限は各都道府県によって異なるため、勤務希望自治体の上限年齢をよく確認しましょう。また、学歴による制限もあります。大学卒業程度(警察官A、Ⅰ類)、短大卒業程度(Ⅱ類)、高校卒業程度(警察官B、Ⅲ類)などと分かれており、試験問題のレベルの目安としての分類ではなく、受験資格が卒業者(または卒業見込み者のみ)となるなど学歴の条件を満たす必要があるので注意が必要です。また、教養試験や論文試験のほか、身体検査や適性審査、職務執行上必要な体力の有無をはかる体力検査も行われます。

採用試験は、年1回または複数回行われるため、希望する都道府県の実施予定をきちんと確認して、スケジュールを組むようにしましょう。試験日さえ重ならなければ、複数の警察官試験を受けることも可能です。同じ都道府県の採用試験を繰り返し受験することもできます。合格率は、都道府県・試験区分により異なりますが、どの自治体もかなり高い競争率となっており、人気の職業であることがうかがえます。下図は警視庁のⅠ類、Ⅲ類それぞれの合格倍率です。

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【おすすめの学習プラン】

独学での合格も不可能ではないが、
資格スクールや専門学校などの活用が効率的

警察官になるためには、警察官採用試験を突破する必要があります。そのためには、まず筆記試験のための勉強が大切です。独学でも筆記試験の合格は不可能ではありません。現に独学で勉強し、合格して警察官として活躍している先輩方もたくさんいます。

しかし、自分での情報収集や計画立てて学習することが苦手な人は、資格スクールや予備校を利用すると効率的に学ぶことができるでしょう。予備校によっては、面接対策や個別指導などがカリキュラムに組み込まれていることもあります。自分の状況に適した学び方を探してみてください。

【学費はどれくらいかかるの?】
独学-約2,000円(テキスト1冊分)
通信教育-約5〜10万円(平均)
資格スクール-約20~30万円(平均)

※試験合格までにかかる一般的な費用ケースを記載しておりますので、金額に関しては個人差が生じ、異なる場合がございます。ご了承ください。

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