医療機関に欠かせない事務のエキスパート

医療事務

資格取得を考えたときや、通信講座で習い事をはじめようと思ったとき、よく目にするのが「医療事務」という資格。医療系の事務だということはわかっても、いったいどんな場所でどんな仕事をしているのか、実はあまり知られていません。ここでは、実際の医療事務の仕事内容や活躍できるフィールドから、仕事のやりがい、資格の取得方法までご紹介していきます。

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医療事務とは 医療事務が活躍できるフィールド ワーク・ライフ・バランス 社会的需要 魅力・やりがい 医療事務になるためには おすすめの学習プラン

医療事務になると・・・

□理想のワーク・ライフ・バランスが得られる!
□女性が活躍できる!
□未経験からでもはじめられる!

医療事務として働く人の勤務形態はさまざまで、ほかの業種に比べても比較的自由な働き方を選ぶことができます。正社員としてフルタイムでバリバリ働いたり、パートとして短時間で働いたりと、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選ぶことができるのです。とくに、結婚・出産によってライフスタイルが変わる女性にとって、自由な勤務形態を選べるのは大きなメリット。それによって、理想のワーク・ライフ・バランスが実現できます。

医療事務は、病院や診療所での受付業務や、医師の仕事の補助を行う医療秘書業務など、細やかな気遣いが活きる仕事内容が多く、女性の活躍が際立つフィールドでもあります。働き方が自由に選べる点、長期的に無理なく働ける点などとあわせて、女性も安心して活躍できる職業といえるでしょう。

また、医療事務の仕事は、未経験者でもはじめやすい仕事です。ただし、専門的な知識・技能が求められることもあるので、民間資格の取得が優位に働くことはあります。

【医療事務とは】

窓口・事務業務を通して患者さんをサポートする
医療業界における「事務のスペシャリスト」

医療事務とは、病院などの医療機関で行う事務全般を指しますが、おもな業務は下記の5つとなります。

(1)受付業務
病院の受付窓口で、患者の診察券や保険証を預かったり、診療代金の精算業務を行ったり、予約の電話を受けたりします。医療機関の顔ともいえる窓口で、多くの患者と接する業務といえます。

(2)請求業務
診療費の計算、領収書の発行など、患者に必要な会計業務を担当します。とくに大切な業務として「診療報酬請求業務」があげられ、患者がどんな診療を受け、どのような薬が処方されたのかを確認し、診療報酬をまとめた「診療報酬明細書(レセプト)」をつくります。

(3)クラーク業務
大きな規模の病院では、外来の各科窓口や病棟の担当をする職員のことを「クラーク」と呼びます。外来患者の受診受付、案内、カルテの準備等を行います。また、入退院に関する手続き、各部署への連絡など、患者だけでなく、病院内の他部門スタッフとの関わりも増えます。

(4)医療秘書業務
医師などのスケジュール調整や資料作成補助など、医師たちの秘書としてバックアップ業務を行います。

(5)医師事務作業補助業務
医師の指示のもと、それまでは医療事務職員が行うことができなかった、電子カルテの入力代行や診断書、紹介状などの作成補助などを行います。

(1)~(4)の業務については、病院によって兼務している場合も少なくありませんが、(5)の医師事務作業補助については、ほかの業務と兼務することはできません。

【医療事務が活躍できるフィールド】

病院、クリニック、歯科など全国の医療機関で働くことができる
患者と医療スタッフを支える、縁の下の力持ち

●働く場所-病院、診療所(クリニック)、歯科医院、調剤薬局など、全国の医療機関で医療事務として働くことができる

●活躍の場-患者と医療機関のサポート役として、活躍の場は多岐にわたる。医療事務のスペシャリストとして業務を請け負う働き方も。

横にスクロールしてご覧ください。

<働く場所>
医療事務として働く場所は、大病院から街なかの小さな診療所(クリニック)、歯科医院や調剤薬局まで、全国にたくさんあります。それぞれに異なる業務があり、同じ病院でも所属する診療科によって、その業務内容は変わります。働きやすい場所や条件、職場の雰囲気など、自分にぴったりな職場環境をぜひ見つけてください。

<活躍の場>
それぞれの職場で医療事務がどのような活躍をしているのか、具体的に見てみましょう。

(医科)
大学病院のようないくつもの診療科がある大病院から、内科や小児科など専門に特化した病院や小さなクリニックまで、その規模はさまざまです。窓口での受付業務にはじまり、カルテの管理、レセプト作成、会計業務などを行います。小さな病院では複数の業務をこなす必要があり、大規模な病院ほど業務は細分化されています。

(調剤薬局)
調剤薬局は、大きな病院・診療所(クリニック)の近くに位置し、年々数が増えています。ここでは、受付や会計、在庫管理などを行います。

上記のほかに、医療機関に所属せず、医療事務に携わるかたちもあります。医療事務で扱うソフトの開発会社やメンテナンス会社に所属し、インストラクターとして各医療機関に出向くケースや、レセプト点検を請け負うことなどがそれにあたります。

【ワーク・ライフ・バランス】

基本的には平日勤務かつ残業も少ない
自身のライフスタイルにあわせて勤務形態も選べる

【ワークスタイル】
医療事務として正社員で働く場合、勤務時間はフルタイムの実働8時間勤務となることがほとんどです。基本的には、勤務先の病院・診療所の診察時間や休診日にあわせることになります。多くの病院の診察開始時間は8時30分または9時のため、その30分前の8時または8時30分から始業となるケースが多いようです。受付時間の長いクリニックなどの場合は、シフト制を用いている場合もあります。

休日については、完全週休2日制というケースが増えてきています。残業についても、まったくないというケースはあまりありませんが、月末などのレセプト業務が忙しい時期をのぞき、比較的残業は少ないところが多いでしょう。また、派遣社員やパートとして勤務する場合は、勤務時間や勤務期間を選択できるため、育児や家事に忙しい女性にもぴったり。派遣社員の場合、希望の条件にあった職場を派遣会社が見つけてくれるため、探す手間も省けます。

【仕事の継続性】
医療事務は働き方の自由度が高いため、継続しやすい仕事といえるでしょう。独身のときはフルタイムの正社員として、結婚後は派遣社員で勤務日数を少なめに、子どもが生まれたら時短でパートとして……というように、自分のライフスタイルにあわせた働き方ができるのが医療事務の大きな魅力です。出産で一時的に仕事から離れても、看護師などの女性が多く活躍している職場のため、産休・育休などの制度もしっかりしている職場が多く、安心して復帰することができます。

また、医療事務を必要とする医療機関は全国にたくさんあります。全国各地で需要がある仕事のため、引っ越しなどで再就職が必要となっても、あらたな働き先は比較的見つけやすいでしょう。

【転職・スキルアップ・キャリアアップ】
病院などの医療事務従事者の募集は、経験者を求める傾向にはありますが、未経験可の求人募集も少なくありません。しかし、大手の病院など人気のある病院は競争率も高くなるため、民間の医療事務資格を取得するなどして、自らをアピールする必要があります。また、実際の業務では専門の知識が必要となってくるため、医療系の資格を取得しておくとよいでしょう。また、業務でパソコンを使うことになるため、パソコンのスキルを持っていたほうが良いでしょう。

医療事務の資格に国家資格はなく、すべてが民間資格となります。その種類は30種類以上もあり、大きく医科、歯科、調剤、介護に分けられます。自身がどんな場所で働き、どんな業務につくかによってスキルアップにつながる資格も異なるため、まずは自分の目的をはっきりさせることが大切。なかなか絞り込めないという人は、まずは医療事務の仕事全体を網羅できる医療事務の資格を取得し、その後自身のステップアップにつながる専門に特化した資格取得を目指すとよいでしょう。

【社会的需要】

保健医療分野の拡大にともない医療機関は増加傾向
ITによる書類の電子化などで減少する業務も

高齢化社会が進む日本では、保健医療分野のニーズは高く、病院やクリニック、介護施設は増加傾向にあります。それにともない医療事務の需要も高くなっています。

一方で、医療業界でもIT化は進んでおり、レセプト作成が電子化されるなど、一部の業務は簡素化、減少していく傾向にあります。そうした環境でも必要とされる人材になるために、専門知識を身につけたり、新たな資格取得を目指したりして、生き残れるだけの知識・能力を備えておく必要があります。

【魅力・やりがい】

医療スタッフの一員として患者をサポート
自由な働き方で長く続けられる仕事

●人のためになるやりがいのある仕事 医療事務は直接患者の診療には関わりませんが、医療機関のスタッフとして円滑な治療が行われるようにサポートし、患者が元気になるためのお手伝いをする仕事です。患者の話し相手になったり、身近な相談相手になったりすることも少なくありません。医療現場に携わる一員としてやりがいのある仕事であり、かつ責任をともなう仕事です。病院の顔ともいえる存在でもあり、とても重要なチームの一員なのです。

●未経験からでも挑戦できる 医療事務は専門知識が必要となる業務ですが、未経験からスタートできる仕事でもあります。医療機関で採用されれば、誰もが医療事務として働くことができます。専門的な知識をさらに勉強することで、キャリアアップも可能です。専門能力を持つ医療事務職員は不足しており、レセプト業務を外部に委託する医療機関もあります。

●勤務形態が自由に選べて長く続けられる 比較的自由な働き方が選べる医療事務は、ライフスタイルの変化にも対応しやすく、結婚や出産などの環境の変化が多い女性にはとても魅力的な仕事のひとつです。ライフスタイルにあわせて働き方を変えることで、長く働くことができ、長期的なキャリア形成も見込めます。

【医療事務になるためには】

必ずしも資格が必要なわけではないが、
専門資格取得でスキルをアピールできる

医療事務として働くためには、必ずしも資格取得が必要なわけではありません。医療機関に採用されれば、医療事務として働くことができます。しかし、採用する側としては、まったく知識のない人よりも、専門的な知識を持った人や経験がある人を採用したいと思うのが一般的です。そのため、資格を持っていたほうが有利に働くことが多く、選択肢も広がります。

実際に、働きだしてから専門知識を学ぶために勉強をはじめたり、学校や通信教育で資格取得を目指す人も少なくありません。よりスキルアップ・キャリアアップしていくためには、さらなる勉強が必要となるのです。

(おもな医療事務資格) 医療事務に関連する民間資格は非常に多くの種類があり、公益財団法人日本医療保険事務協会の「診療報酬請求事務能力認定試験」、一般財団法人日本医療教育財団の「医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)」、一般財団法人日本ビジネス技能検定協会の「医療事務(医科)能力検定試験」などがあります。医療事務の基本となるレセプト業務や医療機関の事務全般の知識や技能を問われる試験のため、医療機関からも高い評価を受けています。

まずは自分がどんな資格を必要としているのか、その目的をはっきりさせ、目的に応じた資格取得を目指しましょう。

【オススメの学習プラン】

独学での取得も可能だが、
初めて学ぶ人は通信講座や資格スクールの活用を

種類も数も豊富な医療事務の資格ですが、まずはどの資格取得を目指すか、目標を決めるところからはじめましょう。医療事務に関する資格は数が多いうえ、似たような名称の資格もたくさん存在します。「資格名を間違って、目的とマッチしない資格のために時間を費やしてしまった」なんてことのないよう、自分が目指す資格をしっかりと確認するようにしましょう。

勉強法は大きく4つ。資格スクールなどの通学講座で学ぶ、通信講座を利用する、専門学校や短大・大学で学ぶ、独学する、となります。ただし、独学ではある程度の基礎知識を持っていないと難しいでしょう。医療事務の勉強では、まず診療報酬点数表を理解することが重要となり、この点が基礎知識のない人にとってハードルが高いと感じる部分でもあるからです。

これらを踏まえて、基礎知識がない人は、資格スクールや通信講座などを利用することをおすすめします。通信講座やスクールなら、基礎的な知識を満べんなく、効率よく学ぶことができます。通信講座やスクールを利用する際は、その講座を受けることでどんな資格を取得できるのか、前もってしっかりと調べておきましょう。

長い時間をかけてじっくりと学びたい人には、専門学校や短大、大学がいいでしょう。多くの学校では医療機関での実習カリキュラムが組み込まれており、座学だけでは得られない実践に近い経験をすることもできます。学校では就職サポートなども充実しており、就職率は90%を超えるところがほとんど。そのぶん学費は高くなるため、ある程度の準備が必要となります。

【学費はどのくらいかかるの?】 独学-約1,500円(テキスト1冊分)
資格スクール-約6~10万円(平均)
通信教育-約3~8万円(平均)
専門学校・短大・大学-専門学校は年間60~100万円ほど。短大・大学はそれ以上となる

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