高齢者や障がい者の日常生活を支援する介護のスペシャリスト

介護福祉士・
介護職員初任者研修

核家族化により独居老人が増えたり扶養意識が変化したりと、家庭での介護能力は低下傾向にあります。こうした状況の中、社会福祉の向上を目的に在宅や施設の介護の充実に貢献する介護職の役割がクローズアップされています。高い専門知識と技能を認められた介護福祉士へのニーズは、今後さらに高まっていくことは間違いありません。

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介護福祉士とは「介護系唯一の国家資格」 介護職員初任者研修とは 超高齢社会の進む日本では需要も高い! 介護福祉士の仕事内容と取得するメリット 介護福祉士のワークライフバランスと働き方 介護福祉士になるには?社会人からでも国家資格が目指せる! 介護福祉士国家試験一発合格を目指すなら大原 まとめ

介護福祉士とは?受験資格の獲得ルートや仕事内容をわかりやすく解説

介護福祉士は、介護現場のリーダー的存在として活躍する、社会的需要の高い資格です。

介護福祉士は国家資格ではありますが、社会人からでも十分に取得を目指せます。安定した仕事に就きたいと考えている方にも、おすすめできる資格でしょう。

この記事では、介護福祉士の概要のほか、資格を取得するメリットや取得方法、介護福祉士の仕事内容などを解説します。

働きながら介護福祉士を目指す際のポイントなども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

介護福祉士とは「介護系唯一の国家資格」

介護福祉士は、社会福祉専門職分野の介護に特化した、名称独占の国家資格です。そのため、資格取得者以外は「介護福祉士」を名乗ることはできません。

介護福祉士は現在、介護の専門知識・技術を証する唯一の国家資格となります。訪問介護などは資格が必要なものの、介護の仕事は無資格から始められるものがほとんどです。

しかし、介護職需要の増加にともない、今後は専門性の高い「介護福祉士」の需要がより高まることが予想されるでしょう。

なお、介護福祉士の仕事を大別すると下記の2つが挙がります。

  • 1.要介護者の心身・生活を支えること
  • 2.要介護者の家族へのアドバイスや適切な支援

具体的な仕事内容については、後述します。

介護福祉士とヘルパーの違い

介護福祉士と似ている仕事の一つに、「ヘルパー」があります。ヘルパーは老齢や心身の障がいなどにより、日常生活の支援が必要な方の生活援助や、身体介護をする人のことを指します。

基本的な仕事内容は介護福祉士も同様ですが、介護福祉士とヘルパーには決定的な違いがあります。

それは、介護福祉士は国家資格であるため、国家試験に合格したうえで登録を済ませた者しか名乗ることはできません。

「国家資格を持っている職員」というイメージは、介護サービスの利用者やその家族に安心感を与え、信頼を得られやすくなります。

さらに介護福祉士は、介護現場で働くヘルパーに対して、指導やアドバイスを行なう役割を担うことも少なくありません。

チームプレイが必要となる介護現場において、介護福祉士は専門知識や技術を伝えるチームの「リーダー的存在」ともいえるでしょう。

介護職員初任者研修とは

□初学者向けで介護の基礎が学べる
□資格取得で自他ともに認める介護専門職として支持される
□業界を問わず高齢者や障害者の支えになれる

初めての方が介護の資格を目指す際は、介護職員初任者研修の資格をおすすめします。介護の基本的な知識・技術が習得でき、介護を必要とする方に自信を持って支援が行えるようになるでしょう。介護職員初任者研修は都道府県知事による認定資格であり、知事認可のカリキュラムによる養成研修の修了と、修了試験(筆記試験)に合格することにより認定されます。資格取得後は、介護施設等で介護専門職として活躍することはもちろん、サービス業においても高齢者や障がい者に接する際にプラスαの対応力としても生かせます。近年においては、家庭での身内介護のために取得する方や企業のサービス力向上のために資格取得を推奨する企業が多く見受けられるようになりました。

超高齢社会の進む日本では社会福祉士の需要も高い!

日本は世界的に見ても長寿国です。日本の人口は2011年以降から減少傾向が続きますが、75歳以上の高齢者数は増加の一途をたどっています。

そして2025年には、団塊の世代が後期高齢者の年齢に達します。このような状況から、介護サービスの需要は増加しており、介護業界は超高齢社会を象徴する成長産業ともいえるでしょう。

これからの日本の福祉業界を支える職業としては、介護福祉士・精神保健福祉士と並び、社会福祉士の需要もかなり高まっています。

介護福祉士は介護に特化した仕事を行なうのに対して、社会福祉士は日常生活で何らかの理由により支援が必要な方に対し、相談援助を行なうのがおもな仕事です。

後期高齢者の増加に加え、少子化が進む日本の福祉業界は人材不足の状況が続いています。そのため、介護福祉士だけではなく社会福祉士の求人も数多くあります。

介護福祉士の仕事内容と取得するメリット

介護福祉士の仕事について、より詳しく見ていきましょう。ここからは、介護福祉士の仕事内容と、介護福祉士資格を取得するメリットや魅力について、より具体的に解説します。

介護福祉士の仕事内容

介護福祉士の仕事内容は、おもに生活援助や身体介助となります。
生活援助とは、生活するうえで欠かせない次のようなことの手助けです。

【生活援助の例】

  • 掃除や洗濯
  • ゴミ出し
  • ベッドメイキング
  • 料理
  • 買い物 など

一方で身体介助とは、要介護者の身体に直接触れる業務全般を指します。

【身体介助の例】

  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 移乗
  • 体位交換
  • 整容(更衣を含む)
  • 入浴介助 など

「介護」と聞くと、高齢者に対する仕事のイメージが強いかもしれませんが、要介護者には高齢者だけではなく障がい者・障がい児の方も含まれます。そのため、介護福祉士の活躍の場は非常に多いといえるでしょう。

介護福祉士のおもな就職先と求められる役割

介護福祉士のおもな就職先の例としては、次のような場所があります。

  • 介護老人福祉施設(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 各種障がい者福祉施設
  • 介護付有料老人ホーム
  • デイサービス など
  • 訪問介護事業所

介護サービスには多くの種類がありますが、おもに「居宅サービス」と「施設サービス」に大きく分けられます。介護福祉士は、居宅サービスと施設サービスそれぞれにおいて、下記の役割を求められることが一般的です。

<居宅サービス>
居宅サービスの事業所では、訪問介護員(ホームヘルパー)として働きます。経験によっては、「サービス提供責任者」というリーダー的存在として活躍することもあります。

また、居宅サービスの一つでもあるデイサービスセンターでは、要介護者の介助だけでなく、家族の介護負担を軽減することも重要な仕事です。例えば、介護に関する相談・アドバイスなどの業務がそれにあたります。

<施設サービス>
介護福祉士が働ける施設には、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護付有料老人ホーム・障がい者福祉施設などがあり、施設によって求められる介護サービスの内容が異なります。

介護福祉士は、各施設の目的や特色に合ったサービスを理解し、提供することが求められます。

介護福祉士を取得するメリットと仕事のやりがい

続いて、介護福祉士を取得するメリットと仕事のやりがいについて見ていきましょう。

介護福祉士を取得するメリット

介護福祉士の資格取得による大きなメリットとして、次の3つが挙げられます。

  • 1.介護の専門家として認められる
  • 2.立場や給与アップ
  • 3.転職時に有利

介護福祉士の給与は、「基本給+資格手当+夜勤・役職等その他の手当」で構成されることが一般的です。介護福祉士の資格を取得しておけば、ほぼ確実に資格手当を得ることができ、年収アップにつながります。

介護福祉士の資格手当は職場により異なりますが、1万円前後であることが多いでしょう。介護職の人材不足が続いている現在において、介護福祉士は実務経験が長ければ転職に関しては引く手あまたの状況といえます。

介護福祉士としてのキャリアを積めば、デイサービスなどの生活相談員や、サービス提供責任者などへ仕事の幅を広げることも可能です。

また、現場経験を活かして介護相談の仕事をしたり、自らデイサービスや訪問介護の事業を起業したりと独立も視野に入ります。

さらに、介護福祉士で実務経験が5年以上という要件を満たせば、介護支援専門員や介護職員初任者研修養成の講師、介護福祉士養成校の介護教員などを目指す道もあります。

このように介護福祉士は、キャリアアップやキャリアチェンジをしたい場合にも、大いに活かせる資格といえるでしょう。

介護福祉士のやりがいと魅力

介護福祉士の仕事を通じて感じられるやりがいや魅力には、次のようなことが挙げられます。

  • 仕事を超えた信頼や絆が生まれる
  • 利用者からの感謝の言葉や笑顔
  • 多くの人の人生に関われる

介護福祉士は、要介護者と接する時間が長い職業です。そのため、業務中の何気ない会話が、介護サービスの利用者を勇気付け、生きる力を与えることもあります。

介護福祉士を「家族が1人増えたよう」と語る高齢者もいるほど、介護福祉士と利用者の間には、仕事を超えた信頼や絆が生まれるのです。そのことにやりがいを感じる介護福祉士は多く、日々の活力になっている方は少なくないでしょう。

また、介護福祉士は単に利用者のできない部分を補うのではなく、「1人でできるかも?」という可能性を探すのも重要な役割の一つです。その人が本来持つ力を発揮できるように工夫し、見守っていきます。

排泄や洗髪といった健常者では当たり前の行為でも、利用者の方がフォローなしでできた歓喜の瞬間に立ち会うこともあるでしょう。

さらに、高齢者や障がい者の方と多く接することで、さまざまな方の人生観を知り、自分の視野を広げるきっかけにもなります。

介護福祉士のワークライフバランスと働き方の違い

介護福祉士の働き方は、働く施設や事業所によって大きく異なります。土日休みで日勤帯のみの勤務もあれば、夜勤も含めたシフト制を採用している職場もあり、働き方はさまざまです。

前述のとおり、転職や復職に関しては引く手あまたの状況なので、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働き方を変えられます。

さらに、時短勤務や曜日固定などの変則的な働き方も可能なため、どのようなライフステージにいても続けやすいでしょう。ワークライフバランスを取りやすい職業の一つといえます。

働く場所による働き方の違い

具体的に、どのような働き方ができるのかを見ていきましょう。施設サービス・デイサービス(日勤帯のみ)・居宅サービスで働き方が異なるため、それぞれ解説していきます。

施設サービス(特養や老健など)

24時間365日の介護が必要となる入居施設では、基本的に2~3交代制のシフト制が採用されています。

<シフト例>
早番:07時~16時
日勤:09時~18時
遅番:11時~20時
夜勤:17時~翌10時

夜勤業務や土日祝の出勤が発生することもありますが、振替休日で平日休みが多い傾向にあります。

介護職のみで夜勤をする施設もあり、そういった施設では、介護福祉士がいることで要介護者が安心して過ごせるといっても良いでしょう。

デイサービス

デイサービスでは、提供時間区分(3~9時間)によって介護が行なわれ、利用者に合わせたサービスを提供します。

勤務スケジュールとしては、8時前後に出社して朝の送迎から一日が始まり、17時半に業務終了となるのが一般的です。

訪問介護とは違い、スタッフで分担して介護サービスにあたります。特別な場合を除き、一般的には休みはカレンダー通りです。

居宅サービス(訪問介護)

基本的には日勤帯の仕事です。8時前後に事業所に出勤し、その日の利用者訪問の準備から始まります。一日4~5件程度のお宅を訪問して介護にあたるのが一般的です。

重度の利用者には、2人で介護にあたることもありますが、基本的には1人でサービスを提供することが多いでしょう。

身体介護、生活援助ともに「介護度」によって提供時間が変わるため、利用者のサービス利用時間区分に従ってスケジュールが組まれます。

郊外での移動は車がメインになるため、運転免許は必須です。また、事業所によっては、夜間対応型訪問介護(18時~翌8時)を行なう場合もあります。

介護福祉士になるには?社会人からでも国家資格が目指せる!

ここからは、介護福祉士の目指し方を具体的に解説します。介護福祉士になるには、国家試験に合格して介護福祉士の資格を取得することが必要です。

国家試験の受験資格を得る方法は複数ありますが、介護施設などで働きながら受験資格を得る実務経験ルートが最も一般的で、受験者の8割以上がこのルートを選んでいます。

このことからも、介護福祉士は社会人からでも十分に目指せる国家資格であるといえるでしょう。

受験資格取得には4つのルートがある

介護福祉士国家試験の受験資格を得るには、次の4つのルートが存在します。

  • 養成施設ルート:介護福祉士の養成施設を経て受験するルート
  • 実務経験ルート:3年以上の実務経験と実務者研修修了を経て受験するルート
  • 福祉系高校ルート:福祉系の高校卒業を経て受験するルート
  • 経済連携協定(EPA)ルート:外国人向けのルート

それぞれで受験資格取得の最短日数や条件も変わるので、どのルートを選択すべきか、自分の経歴に合わせて判断する必要があります。

また、介護福祉士は、国家試験に合格しただけでは名乗れません。介護福祉士の名称を用いて仕事ができるのは、介護福祉士国家試験に合格し、さらに登録を済ませた者のみです。

介護福祉士として仕事をするためには、次の5つの手順を踏む必要があります。

  • 1.国家試験受験資格を得る
  • 2.国家試験を受験する
  • 3.国家試験に合格する
  • 4.資格登録の申請を行なう
  • 5.登録証が交付される

介護福祉士として転職などをする際には、入職前に登録証のコピーの提出を求められます。介護福祉士の資格手当がもらえるのも登録が完了してからとなるので、国家試験に合格したら、できるだけ早く登録を済ませましょう。

介護福祉士国家試験の合格者と合格率推移

横にスクロールしてご覧ください。

介護福祉士国家試験の受験者数について、令和4年度は約7万9,000人でした。前年度(令和3年度)が約8万3,000人、前々年度(令和2年度)が約8万4,000人となっており、受験者数は8万人程度で推移しています。

また、合格率は令和4年度が84.3%、令和3年度が72.3%、令和2年度が71.0%と7割~8割程度で推移しているため、決して難易度の高い試験ではないといえるでしょう。

働きながらでも、しっかり対策を行なえば、確実に合格を目指せる資格だと考えられます。

参考:厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」

【萩原講師ならではのポイント】
全国合格率は、近年70~80%前後の高い合格率となっていて、簡単に介護福祉士が合格できると思われている方がおります。しかし、介護福祉士国家試験に合格されている方は、しっかり学習された方ばかりです。学業に集中できる方、お仕事をされている方等、状況が異なりますので、自分に合ったスクール選びが重要となります。ぜひ大原で介護福祉士を目指しませんか。

介護福祉士国家試験一発合格を目指すなら大原

介護福祉士の資格取得は働きながら目指すのが一般的ですが、無資格から実務経験ルートを目指すと、最短でも3年の期間が必要です。

介護職の多くは無資格からでも始められますが、介護福祉士を目指す方が同じ職場にいないと、モチベーションの維持が難しくなることも考えられるでしょう。

また、介護福祉士国家試験の出題範囲は「広く浅い」という特徴があるため、モチベーションが保てないと自己学習が難しい場合もあるかもしれません。

介護福祉士は、しっかりと対策をすれば、働きながらでも一発合格が十分狙える国家資格です。ただし、年に1度しか受験のチャンスがないため、モチベーション低下が原因で合格を逃してしまっては、非常にもったいないですね。

介護福祉士国家試験の一発合格を目指す方は、学習方法をしっかりと検討することをおすすめします。

おすすめ学習プラン

介護福祉士の受験資格取得ルートのうち、「福祉系高校ルート」は限られた人しか該当しないため、次のルートでの学習方法を見ていきましょう。

実務経験ルートでは経験をしっかりと積めるうえに、費用面でも他のルートと比較するとかなり抑えられるため、社会人で取得を目指したい方には特におすすめです。

モチベーション維持や出題傾向をつかむためにも、実務経験ルートの場合は資格講座に通うのが効率的といえます。

一方、養成施設ルートでは最短で1年、福祉関連の学校を出ていなくても2年で受験資格を取得でき、短期間で取得を目指すことが可能です。

ただし、短期大学や専門学校は、毎日通学が必要で費用もかかりますので、1年または2年間学業に専念できる環境・経済力が求められます。

実務経験ルートと養成施設ルートの学費比較

養成施設の学費は、学校によって異なりますが、100万円~200万円ほどが相場です。

一方、働きながら資格講座に通う場合は10万円前後で、実務者研修と介護福祉士国家試験の受験対策講座を受けられるのが一般的です。

働きながら介護福祉士の資格取得を目指す場合は、養成施設ルートと比較して約10分の1以下の費用に抑えられることがわかります。

ただし、都道府県による介護福祉士修学資金貸付制度がありますので、集中して養成施設で学習したい方はその制度の活用も視野に検討すると良いでしょう。

大原は良心的な価格で仕事と両立しやすいカリキュラム

働きながら介護福祉士を目指すうえで、重要となるのが仕事との両立です。大原の介護福祉士受験対策は全9回のコンパクトプログラムで、効率的に勉強に取り組むことができます。

また、振替出席制度やWeb通信コースもあり、仕事を休めない場合や自宅での学習をメインにしたい場合などでも、働きながら学べるコース、サービスが用意されています。

まとめ

介護業界は超高齢社会を迎える日本において、今後さらに需要が高まる業界です。福祉業界最高峰の資格である介護福祉士を、大原で目指してみてはいかがでしょうか?

大原では、体験入学や資格の取り方・使い方相談会なども、定期的に実施しています。

学業や仕事が忙しくても勉強に集中できるよう、サポート制度や各種割引制度も充実していますので、ぜひお気軽に資料請求・説明会などについてお問い合わせください。

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