税理士を目指すなら大学選びが重要!
大学で得られる税理士試験のメリットとは?

会計や税務に関する専門職である税理士。これから大学へ行く高校生のなかには、大学で税理士になるための勉強をしようと考える方もいるでしょう。

しかし、税理士になるために、どのような大学を選べば良いのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。

今回は、税理士を目指す方におすすめの大学の選び方や大学院の科目免除制度、科目免除を得られる通信制の大学院などを紹介します。

これから大学へ通って、税理士資格を目指そうと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

【水上講師の自己紹介】

資格の大原 税理士講座 法人税法担当の水上です。人生100年時代ともいわれている今日、働き方や生涯年収は重要ですよね。税理士の働き方や年収について講師目線でそれぞれのポイントをお伝えいたします。

税理士を目指すならどのような大学がおすすめ?

税理士を目指す方法はさまざまありますが、大学や専門学校に通ってから税理士試験に合格し、2年以上の実務経験を積む方法が一般的です。この場合、大学はどこを選んでもよいのかが気になるところでしょう。

ここでは、税理士を目指す際の大学の選び方を紹介します。

税理士試験(税法科目)の受験資格を得られる大学を選ぶ

税理士試験の会計科目は誰でも受験できますが、税法科目は受験資格がなければ受験できないので、まずは受験資格の取得を目指しましょう。

受験資格は、大学や専門学校などに通えば取得できるものがあるため、税理士を目指す方は受験資格を得られる大学を選ぶとスムーズです。

なお、大学で取得できる税理士試験の受験資格は、次の3つです。

  • 大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
  • 大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得した者
  • 一定の専修学校の専門課程を修了した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者

出典:国税庁「税理士試験受験資格の概要」

在学生向けに税理士に関する講座がある大学を選ぶ

なかには、在学生向けに税理士試験の講座を開いている大学もあります。一般的な税理士試験の講座よりも在学生向けの講座であれば、リーズナブルな価格になっていることが少なくありません。金銭的な負担を抑えながら、税理士試験の勉強を進められます。

【水上講師ならではのポイント】

税理士を目指している大学生の方は、1~2年の間に「単位」を多めに取っておき、その後税理士受験に力点を置くという方が多いという実態があります。従って、大学での履修内容が受験資格や知識面において税理士受験と結びつけば、その分有利に働くといえます。

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税理士試験には大学院で学ぶと免除になる科目がある

通常、税理士試験は合計5科目の試験に合格しなければ、税理士資格を取得できません。
しかし、大学院で所定の条件を満たせば、一部科目の試験が免除となることをご存知でしょうか。

税理士試験には科目免除制度がある

税理士試験には、大学院で会計学か税法に関する科目の研究を行なうなど、一定の条件を満たした人が一部の科目を免除される制度があります。

免除の対象となる科目は、会計科目の1科目もしくは税法科目の2科目です。

大学院で科目免除となるには?

一部科目免除を受けるには、以下の条件を満たして国税審議会へ科目免除の申請を行ない、認定を受けなければなりません。

税法に属する科目免除の場合

  • 1. 大学院において所得税法や法人税法など、税法に属する科目等の研究により学位を授与されていること
  • 2. 税法に属する科目のうち、1科目合格していること

会計学に属する科目免除の場合

  • 1. 大学院において簿記論や財務諸表論など、会計学に属する科目等の研究により学位を授与されていること
  • 2. 会計学に属する科目のうち、1科目以上合格していること

大学院生にとって、科目免除制度の恩恵は非常に大きいでしょう。例えば、税法の場合、税理士資格を取得するには本来3科目合格しなければなりません。しかし、免除制度を活用すれば、1科目合格するだけで残り2科目は免除になります。

試験に関する負担や、会計科目を含め全5科目に合格するまでの年数などを考えると、科目免除制度は積極的に活用したほうがよいでしょう。

【水上講師ならではのポイント】

一昔前と比べると、大学院を活用して科目免除の申請を行なう受験生の方が増えていると感じています。税理士試験を5科目受験して突破するのが王道とされていた時期もありましたが、近年は考え方の多様性も相まって、より確実性が高い選択をされる方が増えているのではないでしょうか。ただし、大学院の活用が一概に楽な選択であるということではありません。研究やレポートなどを通じて税理士として必要な力を蓄える必要があるからです。

通信制の大学院でも税理士を目指せる

税理士は全日制だけではなく、通信制大学院を活用しながらでも目指せます。
ここでは、通信制大学院の特徴と、科目免除ができる通信制大学院について解説します。

社会人は日中、大学院に通うことが困難

すでに社会人として働いている場合、日中に大学院へ通うのは難しいでしょう。

そこで、社会人で税理士を目指す方におすすめなのが通信制大学院です。通信制大学院では、基本的にはキャンパスへ通わずに自宅学習を中心に学び、定期的にスクーリングという面接授業を行ないます。頻繁に大学へ通う必要がないため、日中は仕事をしている社会人の方も通いやすいでしょう。

ただし、ほとんどの通信制大学院では、修士学位取得による一部科目免除が得られないことに注意してください。

通信制大学院で科目免除ができる大学

2021年7月現在、科目免除が得られる通信制大学院には「東亜大学」があります。

東亜大学

東亜大学は山口県下関市にあり、通信制大学院の法学専攻に入学する方は、ほとんどが税理士試験の科目免除を目的としています。これまでに多くの入学者が科目免除を受けており、国税審議会の審査で認められる論文を作成する、質の高いカリキュラムが組まれています。

ただし、東亜大学の通信制大学院で免除できる科目は、税法科目だけです。会計科目は免除対象とならないことに注意しましょう。

【水上講師ならではのポイント】

税理士事務所や一般企業のなかには、仕事に就きながらも週に2~3日、日中に大学院や受験専門学校に通うことを認めているところもあるようです。通信制大学院を選択するほか、こういった勤め先を探すことも選択肢のひとつといえます。
また、大原にも「大原大学院」があります。一部科目免除申請が可能であったり、税理士の講座が無料で受講できるなどのメリットがあります。夜間や土日の開講も充実しており、社会人でも通いやすいのも特徴です。

税理士試験は大学生の合格率が最も高い

税理士試験では、大学在学中(大学生)の受験者が最も合格率が高い、というデータがあります。

ここでは、税理士試験で大学生の合格率が高い理由や、大学生が税理士試験に合格するメリットを紹介します。

大学在学中の受験者合格率は32.6%

2020年度の税理士試験の結果によると、一部科目の合格者を含む合格率は大学生の受験者が32.6%と、学歴別に見るとトップの数字です。ちなみに、大学卒や専門学校卒などの合格率は20%を下回っていました。

大学生の合格率が高い理由には、勉強に集中できる環境が整っていること、勉強時間を確保しやすいことなどが考えられるでしょう。

多くの場合、大学卒や専門卒の方は、すでに社会人として仕事をしています。仕事の合間に税理士試験の勉強をしなければならず、まとまった勉強時間を確保するのは難しいでしょう。

一方、大学生であれば多くの時間を勉学に向けられるため、税理士試験の勉強や対策が十分にできます。

税理士試験は勉強範囲も広く難関な試験であるため、環境の差は大きな要因といえそうです。

現役大学生の試験合格者は市場価値が高い

現役大学生の税理士試験合格者は、市場価値が高いといわれています。2014年に行なわれた第6回税理士実態調査によると、20代で税理士資格を取得している人は全体の0.6%です。

20代で税理士資格を持っている人はごくわずかなため、多くの人が20代であろう大学生のうちに税理士資格を取得すれば、自身の市場価値を高められるでしょう。

また、税理士資格を取得せず、一部の科目を合格するだけでも就職活動では有利になります。

なぜなら、一般企業では税理士試験で出題される会計・税務に関する知識が求められるからです。特に、銀行・保険会社などの金融機関では、その傾向が強いでしょう。

【水上講師ならではのポイント】

上記に示したように、在学中に5科目もしくは複数科目の合格をなさった方の市場価値が高まるというのは大きなポイントです。さらに、税理士は「税理士法人」「一般企業」「独立開業」と選択の幅が広いため、在学中にやりたいことが明確になっていない場合にも、その後の選択の幅を広げておくというメリットもあります。税理士法人で力を蓄えて、その後独立開業されるという方も少なくありません。また、一般企業では必ずしも経理担当とは限らず、その知識を企画、経営、コンサルタントといった分野で活かしている方も多くいらっしゃいます。税理士という資格はその後の選択の幅が広いのです。

税理士試験の合格を目指すなら大原

税理士試験では大学生の合格率が最も高いと紹介しましたが、大学の勉強と独学だけでは、やはり合格に不安が多いこともまた事実です。

大学生は社会人に比べると多くの勉強時間を確保できますが、勉強方法が適切か、試験対策はどうすれば良いかなど、独学ではわからないこともあるでしょう。大学に通いつつ、効率的に勉強を進めて税理士を目指したい方は、専門学校やスクールなどの活用をおすすめします。

ここでは、大学生におすすめしたい資格の大原の特徴を紹介します。

大学生専用のコース

資格の大原では、短期間で合格を目指すコースや一発合格を目指すコースなど、数多くのコースが用意されています。

さまざまなコースのなかでも特徴的なのが、大学生向けにカリキュラムを組んだ大学生専用コースです。大学生専用のコースは、在学中に税理士試験の5科目合格を意味する「官報合格」を目指しやすいコースです。

科目免除などを利用せずに全科目合格したとなると、税理士としての知識や実力を証明する材料としては十分でしょう。大学卒業後に税理士として働きたいと考えている方にも、官報合格を就職活動でアピールしたい方にもおすすめのコースです。

さまざまな講義形式

資格の大原では、対面で行なわれる教室講義だけではなく、さまざまな講義形式をご用意しています。Web通信や映像通学、中継クラス、教室VTRなどから、自分にあった勉強スタイルを選んで講義を受けることが可能です。

対面式の教室講義であれば、決まった時間に教室へ行って受講しなければなりませんが、映像を活用したWeb通信や映像通学などは自由に受講スケジュールを決められます。

また、教室講義において、他の予定と重なって講座を受けられなかった、という状況でもWeb講義が標準装備(無料フォロー)されているので学習ペースを崩さず講義を受講できます。

税理士試験の合格に導くオリジナル教材

資格の大原で使用する教材は、税理士試験を知りつくした専任の講師が作成した、オリジナル教材です。例年、官報合格の半数以上が大原受講生の方という実績を持っていることから、受講生の方の効率的な勉強をバックアップする内容となっていることがわかるでしょう。

資格の大原が長年にわたって蓄積したノウハウを詰め込んだオリジナル教材は、受講生の方からもわかりやすいと評判です。

【水上講師ならではのポイント】

これまで示して来たように、税理士受験生の方のニーズは多岐にわたっています。学習環境の違いだけを見ても、大学生の方、就労されている方、家事・育児・介護でお忙しい方、受験に専念している方、それぞれニーズは違うはずです。資格の大原ではそれぞれの方のニーズに応えられるような講座設計をしております。ぜひ、我々に人生設計のお手伝いをさせてください。一緒に頑張りましょう!

まとめ

税理士試験に合格するには、大学選びが重要だということを紹介してきました。大学では税理士試験の受験資格を得られるうえに、大学院に進学すれば科目免除制度もあります。これらのメリットを最大限活かすことで、税理士試験合格に近づけることでしょう。

しかし、大学の勉強や独学だけでは、難易度の高い税理士試験の対策を十分に行なうことは難しいでしょう。

大学に通いながら税理士試験の合格を目指したい方は、大学生専用の受講コースもある資格の大原がおすすめです。

まずは、資料請求や説明会、体験入学などから試してみることも可能なので、興味がある方はぜひ以下のページをご覧ください。資格の大原で税理士試験の勉強をして、大学在学中に試験合格を目指しましょう。

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講師プロフィール

水上明(法人税法担当)
資格の大原税理士講座にて法人税法の受験指導に28年従事。
通学講義のみならず全国に向けた映像講義も担当する大原一の人気講師。
法人税法の本試験での出題を幅広く把握し、現在の試験傾向の分析や出題予想にも定評がある。

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