国家公務員は国の中枢機関などに勤め、国全体の大きな仕事に携わる職業です。国家総合職や国家一般職、国税専門官や航空管制官など、国家公務員にはさまざま試験種があり、採用された方は全国各地で活躍しています
国家公務員の魅力は、国民に奉仕できるやりがいのある仕事に加え、安定した年収と充実した福利厚生などがあります。
この記事では、国家公務員の気になる給料と年収、各種手当について、具体的な数字を交えて詳しく解説していきます。
(2024年8月 更新)
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国家公務員の給与は法律によって定められており、人事院のホームページなどで詳細を確認できます。ここでは、国家公務員の平均年収を、人事院が公表しているデータをもとに算出してご紹介します。
国家公務員の給与は俸給と呼ばれます。俸給は法律に基づいて定められており、職種に応じて11種17表の俸給表で表されます。
俸給表に示されている俸給は、会社員でいう基本給のこと。俸給にボーナスや扶養手当などの手当を加えたものが、国家公務員の年収になります。
国家公務員は勤続年数や役職によって俸給が上がる年功序列制度をとっています。
若く役職がない時期は民間企業よりも俸給は低めになりますが、勤続年数が増えれば自動的に俸給も上がり、昇格して役職が与えられればさらに俸給は増加します。
安定した年収が得られ、勤続年数に応じて確実に収入が増えることは、国家公務員の魅力の一つといえます。
では、具体的に国家公務員の平均年収はどれくらいなのでしょうか。
人事院が実施した令和2年国家公務員給与等実態調査によると、国家公務員の平均基本給は337,788円です。平均給与月額は、俸給に各種手当を加えたものであり、その総額は416,203円です。
また、内閣官房内閣人事局発行のパンフレットによると、令和3年度の一般職員のボーナスは、俸給の4.45月分となっています。
平均給与月額12ヵ月分に、ボーナス(期末手当と勤勉手当)を加えたものが国家公務員の年収となるため、国家公務員の平均年収を単純計算すると以下のようになります。
416,203円×12月+337,788円×4.45月≒649.7万円
ただし、これはあくまで単純計算した平均年収です。実際には役職や勤務年数によって年収には大きな幅があります。
国家公務員の給料は、職種にもよりますが一般企業よりも高く、安定収入になりやすい傾向にあります。その分、難易度は高く、合格するためにしっかりとした準備が必要であるといえます。
国家公務員の平均年収は約650万円ですが、これはあくまで平均値であり、実際には職種や年齢によって金額が大きく異なるものです。ここでは、国家公務員の収入の変化を職種別・年収別に解説します。
国家公務員の俸給は法律に基づいて定められており、11種17表の俸給表に表されています。職種によって使用する俸給表が異なるため、職種に応じて年収も異なります。
以下は、令和2年国家公務員給与等実態調査の結果をもとに、国家公務員のおもな職種の平均年収を算出したものです。
職種 | 適用される俸給表 | 平均年収 |
---|---|---|
一般行政事務職 等 | 行政俸給表(一) | 6,364,075 |
技能・労務職員 | 行政俸給表(二) | 5,224,753 |
航空管制官、特許庁の審査官 等 | 専門行政職俸給表 | 6,924,492 |
税務署職員 | 税務職俸給表 | 6,814,597 |
皇宮護衛官、刑務官 等 | 公安職俸給表(一) | 5,962,984 |
海上保安官 等 | 公安職俸給表(二) | 6,436,894 |
研究員 | 研究職俸給表 | 8,505,405 |
医師、歯科医師 等 | 医療職俸給表(一) | 12,411,543 |
薬剤師、栄養士 等 | 医療職俸給表(二) | 5,639,213 |
看護師 等 | 医療職俸給表(三) | 5,676,507 |
政策情報分析官 等 | 専門スタッフ職俸給表 | 9,385,827 |
事務次官、本府省局長、審議官 等 | 指定職俸給表 | 16,103,290 |
※令和2年度国家公務員給与等実態調査をもとに作成
※年収は平均給与月額×12ヵ月にボーナス(俸給×4.45ヵ月)を加えて算出
※年収は1円未満切り捨て
職種に応じて俸給表が異なり、年収が大きく異なることがわかります。最も平均年収が高い職種は、事務次官、本府省局長、審議官等で、16,103,290円となっています。
国家公務員は勤続年数によって収入が上がる年功序列制をとっています
令和2年国家公務員給与等実態調査における、行政職俸給表(一)の年齢階層別平均給与月額は以下のとおりです。
年齢 | 平均給与月額(円) | ||
---|---|---|---|
高校卒 | 大学卒 | 修士課程修了等 | |
20歳未満 | 165,198 | 213,015 | - |
20歳以上24歳未満 | 191,464 | 218,659 | - |
24歳以上28歳未満 | 232,599 | 244,531 | 285,885 |
28歳以上32歳未満 | 277,836 | 287,193 | 329,451 |
32歳以上36歳未満 | 317,599 | 342,172 | 368,332 |
36歳以上40歳未満 | 353,320 | 391,381 | 445,562 |
40歳以上44歳未満 | 389,254 | 426,525 | 496,982 |
44歳以上48歳未満 | 427,427 | 465,705 | 500,765 |
48歳以上52歳未満 | 453,941 | 506,158 | 551,400 |
52歳以上56歳未満 | 475,743 | 527,778 | - |
56歳以上60歳未満 | 493,261 | 528,616 | - |
60歳以上 | 431,467 | 509,060 | - |
※令和2年国家公務員給与等実態調査より抜粋
※平均給与月額は俸給と諸手当の合計
以上の表を参考に行政職俸給表(一)における年代別の年収を単純計算すると、以下のようになります。
国家公務員の給与を定める俸給表は号俸と級で俸給額を表し、号俸は勤続年数に応じて上がり、級は職務階級に応じて上がります。
行政職俸給表(一)の場合、級は1から10まで、号俸は1から125まであります。同じ号俸でも級が違えば、俸給額は大きく異なります。例えば、行政職俸給表(一)の1級1号俸は135,600円ですが、同俸給表の2級1号俸は185,800円となっており、その差は50,200円です。
勤続年数によって号俸が増えても、級(つまり職務階級)が上がらなければ、年収はどこかで頭打ちになってしまうのです。
給与実態調査にあるとおり、年齢が上がるにつれて年間給与も徐々に増えています。しかし、同じ年齢でも職務階級に応じて年間給与は大きく異なります。
また、同じ俸給表を用いていても、職種に応じて俸給表のスタート地点(つまり初任給)が変わります。
一例として、行政職俸給表(一)を使っている国家総合職と国家一般職を見てみます。
級・号俸 | 月額 | |
---|---|---|
国家総合職・大卒程度 | 2級1号俸 | 232,840 |
国家一般職・大卒程度 | 1級25号俸 | 225,840 |
※令和3年版 国家公務員の給与より 初任給の代表例
同じ俸給表、同じ学歴でも初任給が違うため給与月額が異なり、生涯年収にも差が出てきます。国家公務員の年収は職種によって大きく変化するといってよいでしょう。
コツコツと頑張ることができる方にとっては、魅力的な給与体系になるかもしれません。また、各年代における大まかな給与を把握できることは、マネープランを立てやすいというメリットもあります。マイホームの購入時期の検討や定年退職後の想定もしやすいですね。
国家公務員は福利厚生が手厚いことで知られています。ここでは、国家公務員の収入に関わる手当やボーナス、退職金について解説します。
国家公務員は業務内容や役職に応じて支払われる手当が豊富です。民間企業にもよくある住宅手当や通勤手当のほか、勤務地に応じて支払われる地域手当や、異動に伴う広域異動手当もあります。
令和3年4月時点の国家公務員のおもな手当をいくつかご紹介します。
また、このほかにも、高所作業手当や有害物取扱手当、航空管制手当、用地交渉等手当、犯則取締等手当など、職種に応じたさまざまな手当があります。
内閣官房内閣人事局発行のパンフレットによると、令和3年度の一般職員のボーナスは、俸給の4.45月分です。
ボーナスの月数は「給与法」に定められており、民間企業との給与格差が生じないように設定されています。
国家公務員のボーナスは、期末手当と勤勉手当で構成されています。期末手当は在職期間と役職、勤勉手当は勤務成績と役職に応じて変動します。
国家公務員の退職金は、「国家公務員退職手当法」に基づいて支給されます。
民間企業と同様に国家公務員の退職金も、勤続年数や退職理由によって金額が変わります。
退職金は、基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給割合)に調整額を加えて計算されます。基本額における支給割合は、最大47.709ヵ月となっています。
退職金の例として、人事院が公表している退職手当の計算例をご紹介します。
①定年退職で在職中に休職期間がある場合
②早期退職募集制度に応募して、53歳で応募認定退職する場合
公務員試験の合格は学歴にあまり左右されないため、公務員になって大手民間企業並の待遇を手に入れることをモチベーションにしている受験生も珍しくありません。
国家公務員になるには、国家公務員試験を受験して合格する必要があります。ここでは、国家公務員試験の概要と勉強法について解説します。
国家公務員は、国家総合職・国家一般職・国家専門職・その他の職種に分けられます。
希望する職種や試験に応じて受験資格が異なるため注意が必要です。一例として、在職者数の多い国家総合職と国家一般職の試験を紹介します。どちらも難度が高く、広く深い知識が求められます。
国家総合職は国の中枢機関で重要な政策の決定などに関わります。いわゆるキャリアと呼ばれる人材です。
試験は一次試験と二次試験で構成されます。
国家一般職は国の各機関で政策を実行し、企画立案をサポートします。
試験は一次試験と二次試験で構成されます。
国家公務員試験には、独学、スクールに通う、通信講座を受講するといった勉強法があります。
職種にもよりますが、全体的に難度が高いため、独学での合格は難しいといえるでしょう。特に、論文や討論、面接の試験がある職種を希望する場合、独学での対策は非常に困難です。
国家公務員試験に合格するには、国家公務員講座のあるスクールの利用がおすすめです。
国家公務員志望者向けの講座があるスクールなら、合格のためのノウハウや、過去の合格者のデータが蓄積されており、より効率よく試験対策できます。
択一試験対策(学習スケジュールや科目選択を含む)だけでなく、論文(または作文)や面接試験対策も含めた「受験戦略」をしっかり立てられるかが重要です。
また、進捗状況や志望先変更(これ、意外と多いです)によって、戦略見直しが必要になります。併願先が多く、試験の実施方式もさまざまであるため、無駄なく効率的に学習できる計画を立てることが必須です。
やることが多いので、油断するとあっという間に時間的余裕がなくなります。すぐに相談できる人物がそばにいるかは重要です。資格の大原は専任講師制をとっていますので、公務員試験のプロがみなさんと二人三脚で合格までサポートし続けます!
大原には、国家総合職試験と国家一般職試験それぞれに対応した講座があります。大原の特徴を3つのポイントに分けてご紹介します。
国家公務員試験はおもに筆記試験と面接試験からなり、大原はどちらの試験にも徹底して対策できるカリキュラムを用意しています。
筆記試験対策では、プロの講師陣が試験の傾向を分析して作ったオリジナルの教材で、受講生をサポートします。論作文試験対策では、問題の論点を整理するところから始め、何度も添削を繰り返すことで確実に実力が身につきます。
面接対策では、身だしなみや心構えから徹底指導します。面接対策で重要となる自己分析へのアドバイスや、実際の面接を想定した模擬面接も行ないます。
また、多くの合格者を輩出してきたスクールだからこそのノウハウを活かし、国家公務員試験の最新の情報を受講生へ提供しています。
試験に合格するためには、無理なく学習を続けることが大切です。大原では、多様な学び方を支援するため、通学講座と通信講座を用意しています。
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通信講座(Web通信)はWeb上で受講できる通信講座です。インターネット環境があればいつでもどこでも受講可能で、最大2倍速で講義を見ることで学習時間を短縮できます。
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