医療事務の資格試験とは?試験内容や合格を目指せる勉強法を解説

医療事務は人気のある職業の一つです。安定した求人があることから、医療事務の資格取得を目指している方も少なくありません。

しかし、医療事務の資格試験がどのような内容なのかわからず、資格取得に挑戦するか迷っているという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、医療事務の資格試験の内容や、合格のために有効な勉強法を紹介します。また、仕事内容やメリットも解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

【本橋講師の自己紹介】

本橋佳織(医療事務専任講師)

大原の専門課程卒業後、医療事務職員として現場での経験を経て、大原学園専任講師として在籍

医療事務の試験では民間資格が取得できる!

まずは、医療事務の試験に合格することで取得できる資格の概要を見ていきましょう。

医療事務は国家資格ではない

医療事務は民間資格であり、国家試験を受けて取得する国家資格ではありません。民間資格とは、企業や民間団体が設けた審査基準をクリアすることで認定される資格を指します。

医療事務の資格を取得すれば、一定レベルの専門的な知識とスキルを持つ証明となり、幅広い場面で役立つでしょう。

医療事務の資格にはさまざまな種類がある

医療事務の資格には、「医療事務(医科)能力検定試験」をはじめ、さまざまな種類があります。いくつか例を見てみましょう。

  • 医療事務技能審査試験
  • 医療事務検定試験
  • 医療事務管理士技能認定試験
  • 診療報酬請求事務能力認定試験

特に「診療報酬請求事務能力認定試験」は、医療事務の資格のなかでも難関といわれています。この試験は、医科と歯科に分けられていますが、医科の受験者のほうが多い傾向です。

直近では、第54回試験の医科の合格率が37.5%であることからも、難易度の高い試験だとわかります。

そのため、まずは基礎的な知識とスキルを身につけられる「医療事務(医科)能力検定試験」の資格取得を目指すとよいでしょう。

資格があれば就職・転職が有利になる

先ほどお伝えしたように、医療事務資格があれば一定の知識とスキルの証明となるため、未経験でも採用率が高まるでしょう。

将来的に医療事務スタッフとして働きたいのであれば、資格を取得しておいたほうが就職や転職の場面で有利です。

さらに、資格を持っていることで、給料に資格手当が上乗せされるケースもあります。例えば、「診療報酬請求事務能力認定試験」は難易度が高いことから、医療機関からの評価も高く、有資格者には資格手当がつくという求人も少なくありません。

受験資格は基本的に設けられていない

医療事務の資格試験において、基本的に受験資格は設けられていません。ただし、資格の種類によっては、下の級から段階的な取得が求められる場合もあります。

例えば、「医療事務(医科)能力検定試験」の1級から3級では、受験資格が設けられていません。一方、「医療情報実務能力検定試験」の1級を受験するためには、まず2級に合格して受験資格を得る必要があります。

このように、受験資格は医療事務の資格の種類によって違いがあるため、あらかじめ確認することをおすすめします。

【本橋講師ならではのポイント】

医療事務の資格は、どの民間試験でも、医療事務員として必要な知識が備わっているかを確認する試験となります。どの民間試験でも、資格取得者は基本的な知識を身につけていると認識されます。

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医療事務の試験内容&合格率とは

続いて、医療事務の試験内容と合格率について、「医療事務(医科)能力検定試験」を参考にチェックしていきましょう。

試験時間は各級で異なる

「医療事務(医科)能力検定試験」には3つの級があり、試験時間は1級と2級が90分、3級が60分です。

各級で試験日が変わることはなく、同日にすべての級の試験が実施されます。

学科試験と実技試験がある

「医療事務(医科)能力検定試験」は学科と実技の2つの試験を受ける必要があり、学科試験では筆記択一式で解答し、実技試験では診療報酬明細書(レセプト)を作成します。

学科試験では、医療保険制度や窓口業務などに関する知識が求められ、受験する級に応じて試験範囲は変わります。

詳しい試験範囲については、日本ビジネス技能検定協会の「医療事務(医科)能力検定試験範囲」を参考にしてみてください。

参考:医療事務(医科)能力検定試験範囲|日本ビジネス技能検定協会

試験は4ヵ月ごとに実施

試験は例年2月、6月、10月の4ヵ月ごとに開催され、試験の申込み締切りは受験日の約1ヵ月前です。

基本的には在宅での受験となりますが、配送の事情により受験不可の地域もあるため注意しましょう。試験結果は、試験から約1ヵ月後に郵送で通知されます。

なお、「医療事務(医科)能力検定試験」の受験料は以下のとおりです。

1級
5,280円
2級
4,620円
3級
3,960円

※上記は消費税額を含みます。

合格基準点と合格率

合格基準点は、すべての級で総得点の約70%を基準とし、問題の難易度に応じて補正した点数以上の得点で合格となります。例年の合格率は80~90%台で、しっかりと学習すれば合格する可能性の高い資格といえるでしょう。

第38回(2018年06月)

1級
87.5%
2級
88.2%
3級
82.1%

第39回(2018年10月)

1級
91.4%
2級
92.2%
3級
93.7%

第40回(2019年2月)

1級
80.0%
2級
85.1%
3級
97.2%

上記内容からも、毎年の合格率が比較的安定していることがわかります。

【本橋講師ならではのポイント】

「医療事務(医科)能力検定試験」は、合格率が安定しています。それは、正しく知識を身につけた方が合格されている証だと思います。ぜひこれから、医療事務を学習しようとお考えの方は、どの民間資格を受けるかをしっかり調べ、その民間資格の合格を目指し学習を行なってください。

医療事務試験で合格するための3つの勉強法

ここからは、医療事務試験の合格を目指すための勉強法を3つ紹介します。自分のスタイルに合った勉強法を選ぶためにも、ぜひ参考にしてください。

市販テキストで独学する

1つ目は、市販のテキストや参考書を使用して、独学で勉強する方法です。この勉強法は、医療事務の試験に向けてしっかりとした自己管理ができ、モチベーションを常に保てる人に向いているでしょう。

一方、集中力を保つのが苦手という人にとっては、計画に沿った学習が難しいというデメリットがあります。毎日の勉強時間の確保や、スケジュール管理に自信のない人にはあまりおすすめできません。

通信講座を受講する

2つ目は、通信講座を受講する方法です。時間や場所を問わず学習したい場合に有効な勉強法といえます。

スケジュールに沿った計画的な学習が可能で、専任の講師から、提出課題に対する添削やアドバイスをしてもらえるのがメリットです。

専門学校に通学する時間の確保などが難しい人でも、時間帯を気にすることなく学習を継続できるでしょう。

専門学校もしくは通学講座で学ぶ

3つ目は、専門学校もしくは通学講座で学ぶ方法です。専門学校で学ぶメリットとしては、同じ目的を持つ仲間と資格取得を目指せるため、モチベーションを高く保ちながら勉強できる点が挙げられます。

また、通学講座では自分でスケジューリングしながら通学でき、独学の場合と違ってメリハリのある学習が可能でしょう。疑問点や不明点を講師に質問できるため、一人で学習するよりも効率的です。

【本橋講師ならではのポイント】

医療事務を初めて学ばれる場合、不安がつきものです。その不安として、学習内容での疑問点などの質問ができるかがポイントとなります。そこで、大原の通信講座では、学習項目の講義映像や質問応対サポートがありますので、安心して学習をすることができます。

医療事務試験を受ける前に仕事内容&メリットも知っておこう!

資格試験を受けるにあたって、事前に知っておくべき医療事務の仕事内容やメリットを確認しておきましょう。

受付・会計業務では病院の顔に

医療事務の業務では、来院者の受付をしたり会計処理をしたりと、患者さんと接する機会が常にあります。そのため、医療事務スタッフは病院の顔のような存在といえるでしょう。

身体に不調を抱える患者さんの不安を取り除くために、笑顔で対応するなど、接客スキルも必要となります。

業務担当者として責任は求められますが、患者さんから感謝の言葉をもらうことで、仕事に対するやりがいを感じられるでしょう。

レセプト業務では経営を支える存在

患者さんが保険診療を受けた場合、本人が負担する以外の診療費用は、保険証を交付している保険組合などへ請求しなければなりません。

そこで必要となるのがレセプト(診療報酬明細書)で、レセプトの作成および診療費用の一部を請求する業務は、医療事務のなかでも重要な業務の一つです。

レセプト作成時は、患者さんの傷病名や診療報酬点数などを記載します。その際、医師の作成したカルテをきちんと理解したうえで、データを打ち込まなければならないため、専門的なスキルが不可欠です。

一つひとつの作業の正確性が求められる一方、経営を支える存在として達成感も味わえるでしょう。

未経験から始めて成長できる

未経験から始めて、知識やスキルを深めながら成長できるのも医療事務の特徴です。あらかじめ資格を取得しておけば、よりスムーズに勤務先へ馴染めるでしょう。

また、経験を積むほど人材として重宝されるため、年齢を重ねても再就職しやすいメリットもあります。

例えば、子どもが成人して巣立ったあとに、過去の経験を活かして医療事務スタッフとして再スタートすることも可能です。

長い間役立つ知識とスキルを身につけられるため、生涯設計を考えた場合も魅力的な職業といえるでしょう。

ライフスタイルに合わせて働きやすい

医療事務の雇用形態は、正社員やパート、アルバイトなど豊富にあるため、ライフスタイルに合わせた選択ができます。

例えば、未就学児がいる期間はパートとして働き、就学とともにフルタイム勤務への移行を相談できることが多いです。

また、医療機関は全国にあるため、配偶者の転勤にともなって引越した場合なども、比較的スムーズに求人を見つけられるでしょう。

【本橋講師ならではのポイント】

医療事務員としてのお仕事は、来院者に対する応対とレセプト作成が中心となります。ただ、その他の業務もありますが、ご勤務される場所によって異なります。日本全国どこでもレセプトに関する知識は共通ですので、その知識を活かし、ライフスタイルに合わせて仕事をすることが可能です。

医療事務になるなら資格の大原で試験合格を目指そう!

医療事務の資格試験を受けるのであれば、資格の大原で学習するのがおすすめです。ここでは、その理由を3つのポイントに絞って紹介します。

大原の医療事務講座では目的別に5つのコースから選べる

大原の医療事務講座は、「医療事務(医科)能力検定試験」の合格に向けて、目的別に5つのコースから選択できます。

  • 医療事務3級から学ぶ2級合格コース
  • 医療事務3級から学ぶ1級合格コース
  • 医療事務3級合格コース
  • 医療事務2級合格コース
  • 医療事務1級合格コース

例えば、すでに2級コースを修了している場合は、「医療事務1級合格コース」を受講して1級の資格取得を目指すのがおすすめです。

また、段階的に学んだうえで2級の資格取得を目指したいという方は、「医療事務3級から学ぶ2級合格コース」を選ぶとよいでしょう。

このように、受講生の目標に適したものを複数のコースから選べる点が、大原で学ぶ魅力といえます。

学習スタイルに合わせて通信・通学講座で学べる

大原では、自分の学習スタイルに合わせて、通信または通学講座を選べます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

まず、通信講座には「Web通信」と「DVD通信」の2種類のタイプがあり、自分に合ったタイプを選択できます。

Web通信の講座は、インターネット環境があれば時間や場所を問わず学習でき、DVD通信の講座は、DVDプレーヤーで講義を視聴しながら学習できることが特徴です。

一方、通学講座は「映像通学」となり、大原校内に設置された個別視聴ブースで、人気講師の映像を見ながら受講します。

独立したブースで集中して学習できるうえ、視聴時間帯であれば自由にスケジューリングも可能なため、無理なく学習を継続できるでしょう。

なお、通信・通学講座の内容は、先ほど紹介した5つのコースすべてが対象となっています。

就職率99.7%!大原学園系列の専門学校でも医療事務を目指せる

大原学園系列の専門学校でも、医療事務に関する資格取得を目指せます。就職対策にも力を入れており、2019年度卒業生の医療の就職率は99.7%という高い実績です。

取得したい資格などに応じて、1年制もしくは2年制から在籍年数を選べます。2年制であれば、難関資格としても例に挙げた「診療報酬請求事務能力認定試験(医科)」の合格も目指せます。

ほかにも「医療請求事務能力検定1級」や「医療秘書実務能力検定1級」など、さまざまな資格を取得でき、就職後も役立つ専門性の高い知識・スキルを身につけられるでしょう。

【本橋講師ならではのポイント】

大原では、社会人などを対象とした医療事務講座と大原学園の専門学校での医療事務コースがあります。社会人などの医療事務講座は、「医療事務(医科)能力検定試験」の合格を目指す内容となっております。
3級から2級は、外来を中心とした学習内容で、医療事務を初めて学習される方には、「医療事務3級から学ぶ2級合格コース』を大学病院などでのご勤務をお考えの方には、入院の学習内容を含んだ「医療事務3級から学ぶ1級合格コース』をおすすめします。
なお、大原の通信講座では、学習項目の講義映像や質問応対サポートがありますので、安心して学習をすることができます。

まとめ

今回は、医療事務資格の試験内容や合格に向けた勉強法などを紹介しました。

「医療事務(医科)能力検定試験」には3つの級があり、いずれの級も例年の合格率は80~90%台です。通信講座や専門学校での学習を取り入れ、しっかりと試験対策することで合格を目指せるでしょう。

資格の大原では、医療事務資格の取得に向けて5つのコースを提供しており、受講生の学習スタイルに合わせて通信・通学講座を選択できます。

さらに、大原学園系列の専門学校で学べば、豊富な種類の資格取得を目指せるうえに、就職のサポート体制も万全です。

これから医療事務の資格取得を目指す方は、ぜひ一度、無料で資料請求してみてはいかがでしょうか。

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講師プロフィール

名前
本橋佳織
担当
医療事務
指導理念
いつも笑顔で、楽しく学ぶ
紹介文
医療事務は、患者様が病院へ訪れた時に、最初に応対する職員となります。
医療事務の診療報酬に関する知識を身につけることも大切ですが、私が心掛けていたのは、応対の際に、笑顔で対応することでした。
医療事務の学習は、おもに診療報酬に関する内容となりますが、繰り返し問題を解くことで身につけることが可能ですので、ぜひ頑張ってください。

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