簿記検定は年齢問わず人気の資格です。取得していると、転職や就職に有利だと聞いたことがある方も多いかもしれません。
しかし取得したいと思っても、簿記に関する知識がゼロの状態では、何から始めてよいかわからないことも多いと思います。
この記事では、簿記検定を取得することによるメリットや、簿記検定の難易度について詳しく解説します。併せて自分に合う学校選びのポイントも紹介しているので、簿記検定取得を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
こんにちは。資格の大原 簿記講座の長畑と申します。最適な学習方法や受講方法のお問い合わせに10年以上お答えしてきた私が皆様をナビゲートいたします。1人でも多くの方に簿記の魅力がお伝えできれば幸いです!
そもそも簿記とはどのようなものなのでしょうか。併せて資格についても詳しく解説します。
簡単に説明すると、簿記とは発生したお金の出入りを記録することです。普段家計簿を利用している人はイメージしやすいかもしれません。企業はお金の出入りを誰が見てもわかるように日々記録し、決算ごとに報告書にまとめる必要があります。
また、お金の出入りを記録することにより、企業の財政状況や経営状態についても把握可能です。そのような意味でも簿記は非常に大切な役割を持っています。
そういった意味を持つお金の出入りを記録するためには、簿記の知識が必要です。その知識があることを証明するための資格が、簿記検定になります。
簿記の知識を使って、お金の出入りを記録する仕事を経理と呼びます。経理事務という職種を聞いたことがある方も多いでしょう。経理に関する仕事をしたいのであれば、簿記の知識は必須になります。
簿記の資格を持っていると履歴書に記載ができ、転職や就職に有利になります。特に経理系の仕事や、経理に関わる職種に就きたい場合は持っていると役に立つでしょう。
また、役に立つのは経理の仕事だけではありません。簿記の知識を習得すると、お金の出入りが理解できるようになるので、ビジネスを数字的な視点から見ることができるようになります。
売上や戦略を数値化して考えることが必要な営業や、マーケティングの仕事などにも役に立つでしょう。
一方、税理士やファイナンシャルプランナーは簿記の知識が必須です。これらは、難易度の高い資格ではありますが、簿記の知識をあらかじめ習得しておくことでスムーズに勉強を進めることができます。
簿記検定と一言でいっても1つではなく、3つあります。知名度が高く、就職や転職活動にも有利といわれているのが日商簿記検定です。
種類 | 特徴 |
---|---|
日商簿記検定 |
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全経簿記検定 |
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全商簿記検定 |
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主催によって特徴が異なりますが、最も難易度が高いのは日商簿記です。この記事で解説する簿記検定の情報については、日商簿記を題材としています。
簿記検定は2級と3級が年に3回、1級は年2回開催されています。2023年度の試験日程は下記となります。
統一試験(ペーパーテスト)
試験日・回 | 受験料(税込) | |
---|---|---|
2023年6月11日(日) | 第164回 1級~3級 | 1級 7,850円 2級 4,720円 3級 2,850円 |
2023年11月19日(日) | 第165回 1級~3級 | |
2024年2月25日(日) | 第166回 2級~3級 |
統一試験方式で受験する場合、3級と2級は約1ヵ月後に結果発表が行われます。
2020年から、新たにインターネット上で簿記検定を受験できるネット試験制度がスタートしました。
受験できるのは2級と3級のみになりますが、統一試験方式と違い、随時受験が可能となり、合否もその場で知ることができます。これにより、自分のペースに合わせて受験できるようになりました。
ただし、年3回の受験停止期間があります。統一試験が開催される前後の一定期間中は、ネット試験を受験できません。ネット試験の受験を考えている人は受験停止期間に注意しましょう。
ネット試験制度のスタートは、日商簿記検定に非常に大きな変化をもたらしました。コロナ禍で統一試験の実施が困難な状況においても、簿記学習者の努力が実を結べるように、との思いが出発点でした。学習しても、現実にはその知識を使う場面がないようなテーマは、出題範囲から除外する調整も適時行われており、さまざまな分野で活用できる資格となっています!
簿記検定のなかで、最も難易度が高い日商簿記ですが、どのくらいの難易度なのでしょうか。レベル別に合格率と難易度について解説します。
簿記3級は比較的難易度が低く、毎回40%以上の方が合格しています。2022年度(2022年4月~2023年3月実施)の合格率は、以下のとおりです。
回 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
163回(2023.2) | 31,556名 | 11,516名 | 36.5% |
162回(2022.11) | 32,422名 | 9,786名 | 30.2% |
161回(2022.6) | 36,654名 | 16,770名 | 45.8% |
ネット試験(2022.4~2023.3) | 207,423名 | 85,378名 | 41.2% |
簿記3級を取得するために必要な勉強時間の目安は100時間程度といわれており、計画的に勉強を進めることができれば、1ヵ月から3ヵ月で合格が可能です。
2級になると合格率が一気に下がり、難易度が高くなっていることがわかります。
回 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
163回(2023.2) | 12,033名 | 2,983名 | 24.8% |
162回(2022.11) | 15,570名 | 3,257名 | 20.9% |
161回(2022.6) | 13,118名 | 3,524名 | 26.9% |
ネット試験(2022.4~2023.3) | 105,289名 | 39,076名 | 37.1% |
簿記2級を取得するためには、3級の知識がある人でも250時間程度の勉強時間が必要といわれています。独学の場合はさらに時間が必要かもしれません。
基本的な知識が中心だった3級に比べて、2級はさらに深い知識が必要です。また、3級にはなかった工業簿記の内容も追加されます。
日商簿記検定1級は、公認会計士や税理士を目指す人の登竜門ともいわれており、難易度も一気に上がります。
回 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
162回(2022.11) | 9,828名 | 1,027名 | 10.4% |
161回(2022.6) | 8,918名 | 902名 | 10.1% |
1級を取得するために必要な勉強時間の目安は、独学か学校に通っているかにもよりますが、500時間から600時間程度の勉強時間が必要です。期間にすると最低でも半年から1年はかかるので、モチベーションを保ち計画的に勉強を進められるかが、合格のカギになります。
上位級になるほど合格率は低くなりますが、上位級になるほど合格者数は減少しており、その希少価値が高いことがわかります。他の資格と組み合わせて就転職に活かしたい方は2級まで、簿記検定1つで就転職に活かしたい方は1級まで取得するのがおすすめです!
簿記検定に最短で合格したいならば、学校に通うのがおすすめです。簿記を教えてくれる学校はたくさんありますが、ここでは、自分に合う学校選びのポイントを7つにわけて解説します。
候補の学校をいくつか絞ったら、それぞれの歴史や実績、合格率を調べてみましょう。たいていの場合は、ホームページやパンフレットなどに記載されています。
合格者を多く輩出している学校は、試験に適した対策をしていたり、授業がわかりやすかったりすることが推測できます。
もしホームページなどで確認できない場合は、体験入学や説明会に参加するとよいでしょう。
学校に通うのであれば、自宅から通いやすいかどうかも大切なポイントです。自宅からの通学が不便だとモチベーションが下がり、途中で挫折してしまうリスクもあります。仕事をしながら通うことを考えている人は、会社の近くにある学校でもよいでしょう。
現在はオンライン講座も充実しています。どうしても近くに通えそうな学校が見つからない場合は、オンライン講座も検討するとよいでしょう。
オンライン講座となると、通学タイプに比べるとすぐに疑問を解消できる環境ではない場合もあります。しかし受講時間が比較的自由な場合が多いので、自分のペースで勉強を進めることができます。
簿記の試験は毎年改定されています。そのため、常に過去問を分析し、かつ、最新の情報を提供してくれるかも重要です。特に簿記検定は新しくネット試験が導入されました。これらにも対応してくれる学校を選ぶとよいでしょう。
最新の情報に対応できているかどうかは、資料請求したり、実際に無料体験入学をしたりすると確認できます。
講師との相性も、簿記検定合格までのモチベーションを保つための大事なポイントです。相性が悪ければ勉強も憂鬱になりますし、どんなにわかりやすい教材も活かせるかどうかは講師の腕にかかっています。
講師の実績や評判もよく調べておくとよいでしょう。こちらも実際に無料体験入学で授業を受講することで、おおよその雰囲気がつかめます。
サポートが充実しているかもよく確認しましょう。ただ講師がテキストに沿って説明しているだけの学校であれば、正直通う意味はあまりありません。独学でよいでしょう。
わからないことがあれば、すぐ質問対応してくれる環境や施設が充実していると勉強も効率的に進めることができます。また、都合が悪く欠席となった場合の振替講義や、途中入学でも追いつけるようにフォローしてくれる学校もあります。
パンフレットや資料請求で、サポートについてもよく確認し、自分に合う学校を選びましょう。
勉強を効率的に進めるには、教材のわかりやすさは非常に重要なポイントです。モノクロで、イラストがほとんどない文章だけの教材と、図やイラストが豊富に入ったカラーの教材では、どちらが勉強を効率的に進められるでしょうか。
おそらく多くの方が、後者の教材を選ぶと思います。教材が自分の勉強に合うかどうか十分に調べておくことも大切です。インプットした知識をアウトプットするための問題集なども充実していると、なおよいでしょう。
これから簿記検定を受験しようとしている方のレベルが、すべて同じわけではありません。基本を理解しているか、まったくの初心者かによってスタートラインは違います。自分のレベルに合うコースがあるかを確認しましょう。
初心者であるにも関わらず、経験者向けのコースを受講しても、授業についていけずに挫折することになりかねません。逆に、ある程度知識を持っているのに初心者向けのコースを受講しても、効率的に学習は進められないでしょう。
今の自分のレベルがどのくらいなのかを把握し、自分のレベルに合うコースを受講することが、最短で合格する近道になります。
独学と通学で大きく異なるのが「質問できる場があるか」どうかです。講義は、参加している100人に向けた説明ですが、質問をすれば、自分1人だけに向けた説明をしてもらうことができます。検定合格のために、質問はとても重要です!
大原はさまざまな資格合格を目指すための学校です。ここでは、簿記検定の合格者も多数輩出している大原の特徴を紹介します。
これまで大原では、多数の簿記検定合格者を出してきました。2022年度(2022年4月~2023年3月)に実施された日商簿記検定の合格者数は以下のとおりです。
回 | 1級合格者 | 2級合格者 | 3級合格者 |
---|---|---|---|
161回(2022.6) | 74名 | 605名 | 1,030名 |
162回(2022.11) | 84名 | 215名 | 108名 |
163回(2023.2) | - | 16名 | 71名 |
ネット試験(2022.4~2023.3) | - | 722名 | 440名 |
引用大原の合格実績
大原で使用している教材は、受験指導のプロである講師陣が作成したオリジナルの教材です。図を多く取り入れてわかりやすさを徹底的に追及しています。
さらに試験内容や出題範囲に合わせて毎年改定されるので、常に最新の情報が反映されているのが特徴です。
基本教材のほかにも、講義内容や学習の進み具合に合わせた副教材も用意しています。常に最新の試験に対応した教材は大原の魅力の1つです。
大原のカリキュラムは、長年の簿記教育を活かして作られたオリジナルカリキュラムです。簿記の学習経験がない方でも、段階的にステップアップできるように作られています。そのため、簿記が初めての方も無理なく合格を目指すことが可能です。
もちろん経験者向けのカリキュラムも用意されているので、自分のレベルに合ったカリキュラムを選ぶことができます。
簿記検定では、2020年12月からネット試験が開始されました。インターネット上で受験から合格証の発行が可能になり、受講停止期間を除けば随時受験が可能です。
これにともない、これまで試験後に公表されていた問題も2級と3級に関しては、公表されなくなりました。そのため、独学では対策を講じづらいのが現状です。
しかし、大原ではネット試験にもいち早く対応しています。まず、実際の試験とまったく同じ環境で模擬試験を受けることが可能です。そして、問題集も新試験に対応した問題を用意しています。
模擬試験も、ただ得点が表示されるだけではありません。解答や解説を確認できるので、自分の苦手分野を知り、対策を立てることができます。
大原では、少しの疑問や不安も残さないようサポートを充実させています。職員室には常に講師がおり、わからないことは行けばすぐに質問が可能です。
通常であれば質問しにくい環境の通信講座も、メールや電話を利用して質問できる体制が整っています。
また、参加予定だった講義に参加できない場合も、別の講義に振替参加できる制度も用意しています。そのため、受講できない講義があって苦手な部分が増えてしまったということもありません。万全のサポートで、安心して講義を受けることができます。
大原のカリキュラムの特長は「最少の労力で」「最短で」合格して頂けるようにこだわっている点です。途中途中のミニテストで到達目標が提示され、都度、達成度合を測ることで、今の学習量が足りているのかを確認しながら学習することができます。質問も日曜・祝日を除き、毎日受け付けておりますので、安心して学習をスタートして頂けます!
簿記検定の詳細と、学校選びのポイントについて解説しました。簿記は、経理以外にもさまざまな職業に役に立つ知識です。就職や、転職活動にも有利なので取得して損はないでしょう。
独学でも合格は可能ですが、短期間で効率的に合格を目指すのであれば学校へ通うのがおすすめです。大原は、簿記のプロが作ったオリジナルカリキュラムとノウハウで多数の合格者を出しています。
体験入学では、無料で1回講義を受講することも可能です。実際の雰囲気や講義をぜひ体感ください。資料請求や、セミナーも随時受け付けています。
大原の講師が徹底解説!
資格の講座以外の学習スタイル
大原学園グループでは、この他にも資格を取得できる学習スタイルをご用意しています。