簿記1級は取得難易度の高い資格です。保有していると会計と財務のプロフェッショナルであることを証明できます。
その専門性の高さから、就転職や大学入試で高く評価される資格でもあります。
高レベルの簿記1級は、果たして独学でも合格は可能なのでしょうか。
この記事では簿記1級の合格率や勉強時間、簿記1級を取得するメリットなどについてみていきます。簿記1級の取得を目指している方はぜひ参考にしてみてください。
こんにちは。資格の大原 簿記講座の長畑と申します。簿記1級の指導歴10年以上の私が皆様をナビゲートいたします。1人でも多くの方に簿記1級の魅力がお伝えできれば幸いです!
簿記1級は取得難易度が高く、深い会計知識が求められる資格です。簿記1級の試験時間は合計3時間、4つの科目から成っています。
ここからは、簿記1級の基本的な情報と試験内容、合格基準等について詳しく解説していきます。
簿記には以下の3つの検定試験があります。
「簿記1級」は一般的に「日商簿記の1級」を指します。
簿記1級は取得難易度が高く、2級・3級と比べると保有者の少ない資格です。簿記1級の試験では高度な会計知識が求められるため、広範囲の学習が必要になります。
そのため簿記1級を保有していると、深い会計知識がある証拠になるでしょう。簿記1級の資格保有者は「財務と会計のプロフェッショナル」であるといえます。
簿記1級の試験は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4つの試験科目で構成されています。試験時間は商業簿記・会計学で90分、工業簿記・原価計算で90分のトータル180分(3時間)です。
合格するには全体の70%以上を正解する必要があります。ただし1科目ごとに40%以上の正答率がないと、全体の70%を取得していたとしても不合格となる可能性があります。
簿記1級の試験内容は、それぞれ下記のとおりとなります。
簿記2級と比較すると、会計学・原価計算が新たな試験内容として加わっています。
日商簿記検定を主催する商工会議所が簿記1級の特典として紹介していることが3つあります。受験を検討している方は参考にしてみてください。
簿記1級は希少価値の高い資格であり、それゆえにさまざまなシーンで取得者は高く評価されます。確かに2級と比べると難易度は上がりますが、2級の試験範囲が整備され、2級と1級との差は徐々に縮まりつつあります。2級取得者は怖がらずにぜひチャレンジして頂きたいですね!
簿記1級の合格率は平均8~10%程度と低く、簿記2級・3級と比べても難しい試験であることがわかります。
ここからは、合格率の点から簿記1級がいかに難易度が高い試験なのかを解説します。
日本商工会議所が公開している受験者データを確認すると、簿記1級の合格率は8~10%程度であることがわかります。過去3回の合格者数と合格率は以下のとおりです。
【簿記1級の過去3回の合格者数と合格率】
ここで同じく日商簿記の2級と3級の合格率をみてみましょう。2級は平均20%程度、3級は平均40%程度の合格率です。この結果を鑑みると、簿記1級の取得は2級や3級の取得に比べて難易度が高く、合格へは非常に狭き門であることがわかります。
【簿記2級の2022年度の合格者数と合格率】
【簿記3級の2022年度の合格者数と合格率】
簿記1級、税理士試験(簿記論)ともに、どちらも取得難易度の高い会計系の資格試験であるため、両者はよく難易度を比較されます。合格率をみると簿記1級が平均8~10%程度に対して、税理士試験の簿記論は平均10~15%前後と簿記1級に比べて高い合格率となっています。
しかし、この結果は税理士試験の簿記論のほうが簿記1級より簡単であると判断する材料にはなりません。
そもそも、税理士試験は受験資格がある人しか受験できないのです。※1
税理士試験は、すでにある程度高いレベルの会計知識を有している方でないと、受験をすることすらできない資格です。その「高いレベルの会計知識」のなかに簿記1級の合格も含まれています。簿記1級や、相応のレベルの会計知識を有した方だけが受験しても、なお合格率は10~15%前後しかないのです。
一方、簿記1級は誰でも受験できる資格です。そのため合格率の高さだけをみて安易に簿記1級より税理士試験の簿記論のほうが簡単であると判断するべきではありません。
※1 2023年度税理士試験から、会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)については、受験資格の制限がなくなり、どなたでも受験できるようになりました。
簿記1級を受験する方は簿記2級・3級をすでに保有している方が多く、基礎ができている受験者がほとんどであると考えられます。
それでも合格率は平均8~10%程度と低く、合格者より合格できなかった人のほうが圧倒的に多い結果となっています。
しかし、効率的に勉強すれば簿記1級の取得は不可能とはいえません。簿記1級を取得すると次章のようなメリットが得られます。
3級や2級は試験回数によって合格率に大きなバラツキがあるのに対し、1級は8~10%程度で安定していることも特徴です。どれだけ難しい問題が出題されたとしても、上位10%にさえ入れば合格できますので、「たまたま難しい問題が出たから合格できなかった…」ということがないのは魅力ですね!
簿記1級の資格は会計と財務のプロフェッショナルである証です。資格を取得することは社会人にとっても学生にとっても多くのメリットがあります。
簿記1級は履歴書に記載してアピールできる資格です。企業にハイレベルな会計知識があることをアピールできます。就職活動や転職活動で履歴書に記載すると他の候補者との差別化につながるでしょう。
簿記1級はすでに社会人になっている方にとってもメリットのある資格です。簿記1級は企業内でも高い評価を得られるため、昇進や給料アップ(資格手当)につながることもあります。
簿記1級を取得すると税理士試験の受験資格が与えられたことになります。税理士試験を受験するには複数ある受験資格のうちの何かの受験資格を満たさなければなりません。
しかし、大学での単位取得や税務官公署における事務の経験など、すでに社会人となっている方には今からでは満たすことが難しい受験資格も含まれています。その点簿記1級の取得は本人の努力次第でクリアが可能な受験資格です。
他の受験資格をクリアすることが難しい方は、税理士試験の第一歩として簿記1級の資格取得がおすすめです。
日本商工会議所主催の簿記検定は全国で78校の大学が入試において資格取得者を優遇しています。簿記1級は2級・3級に比べても取得難易度の高い資格です。取得するとライバルに差をつけられるでしょう。
簿記1級を受験する方は会計や財務について勉強します。これらの知識は独立して自ら経営する際に役に立つ知識です。
自ら仕訳起票や決算書の作成ができるのであれば、確定申告のために税理士事務所に依頼する必要はありません。また、取引の流れを理解できるため、スムーズに取引先と交渉ができます。簿記1級の取得は経営者にとって大きなアドバンテージとなるでしょう。
簿記1級を取得するには幅広い会計の知識が必要です。商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目の勉強を通して広く深い知識を身に付けられます。
これらの知識を得ることで、今まで理解できなかった・難しいと感じていた新聞やニュースのトピックスがよりスムーズに理解できるようになるでしょう。一つの情報に触れて得られる情報量がそれまでより増え、新聞やニュースの理解度が上がります。
簿記1級の勉強を進めていくとお金に対する知識が増え、また日常生活においても会計知識を使いながら物事を判断できるようになります。そのため資産形成や自分の家計簿も会計知識を通してみられます。今までより効率的にお金を扱えるようになるでしょう。
職業能力開発促進法の指導員資格試験を受ける場合、簿記1級の資格を有していれば事務科の試験科目を一部免除されます。その分の勉強時間を他の科目の勉強に充てることが可能です。
1級を学習するメリットは、商業簿記と工業簿記を広く学ぶことができる点です。公認会計士などの国家資格ほど深くは学びませんが、広くさまざまな知識を身に付けることができます。例えば、先物取引について学ぶこともできれば、一方で、何かを選ばなければならないときに、どうすれば最適な選択ができるようになるかを学ぶこともできます!
独学で勉強する場合、簿記1級を取得するには一般的に500~1,000時間程度の勉強時間が必要になります。1,000時間というと忙しい社会人や学生の方にとってはなかなか捻出し辛い時間です。
一方、講座を利用して勉強すると、独学の場合と比べて勉強時間を短縮できます。
独学で簿記1級を取得するには一般的に500~1,000時間程度の勉強時間が必要であるといわれています。
1年間365日毎日休まず勉強したとしても、1日あたり1.5~3時間程度の勉強時間を確保しなければなりません。体調不良や急用などを考慮すると、1日2~5時間程度は勉強する必要があります。
入試や昇進でいつまでに資格が必要か明確な方や仕事・通学でなかなか勉強時間が確保できない方には、効率的に時間を使える大原での資格取得がおすすめです。
独学に比べるとテキストや解説動画を自分で探す時間が省け、また、わからないことがあってもすぐに講師へ相談ができます。勉強を効率的に行ない最短の時間で簿記1級取得を目指したい方は、独学ではなく講座の受講がおすすめです。
コストを考えると独学が望ましいと考える方は多くいらっしゃるかと思います。1級は独学で合格できない資格ではありませんが、やはり相応の学習時間を必要とします。秤に乗せるなら、スクール側にコストを乗せ、独学側には時間を乗せて比較し、最善と思われる方法を選択しましょう。時間は有限で、増やすことができません!
大原では独学より短い勉強時間で簿記1級合格を目指せます。長年試験に携わってきたノウハウや独自の合格情報データベースを活用し、受験生が効率的に勉強を進められるカリキュラムが用意されています。
大原では最新の試験傾向に対応した合格に直結する講義の受講が可能です。講師はみな試験の内容や対策を熟知しているため、受験生にとって効率的な勉強方法で指導を行ないます。
また、講師は毎年多くの受験生から質問を受けており、「どこが受験生にとって難しいのか」「わかりにくいのか」を把握しています。これらを反映させた講義は独学でテキストを読み進めるより効率的に簿記1級合格への道を切り開いてくれるでしょう。
大原の講座では、大原が長年のノウハウを蓄積した合格情報データベースを活用した次年度予想や教材を活用。無駄な労力を省いた学習カリキュラムで最短合格を目指せます。
受験に集中していただけるよう大原ではさまざまなフォロー体制を構築しています。振替出席や振替視聴など、さまざまな事情で受講できない日があってもすぐにキャッチアップできる体制が整っています。
また、転居にともないお近くの学校に通えなくなったときには転校制度も利用可能です。
学校には教室、自習室、相談ブース、職員室などが備わっており、勉強するのに最適な環境が整えられています。女性向けのパウダールームも設置されているため、仕事の前後にも利用しやすい環境です。
※設備は学校により異なります。
大原では通学講座(教育通学・映像通学)、通信講座(Web通信・Webライブ・DVDフォロー[基本講義のみ]・資料通信)からお好みの学習スタイルを選択できます。そのため、社会人や学生、主婦などさまざまなライフスタイルの方に幅広く受け入れられています。自分にとって最適な学習スタイルで簿記1級を目指していきましょう。
大原の講座には、講義のWeb配信が標準装備されています(資料通信除く)。倍速にしたり、途中で止めて後日に視聴を再開することもでき、とても便利です。よって、自身で学習プランを立て、そして実行できる方にはWeb通信がおすすめです!一方で、いつ・何をすればよいのかを具体的に指示して欲しい方には教室通学がおすすめです!
簿記1級は会計と財務のプロフェッショナルである証。簿記1級を保有していると就職や転職、大学入試で有利になります。
高い会計知識を要求されるため取得難易度は高く、合格率は平均8~10%程度しかありません。合格までの勉強時間は独学の場合500~1,000時間程度といわれています。
一方、講座を利用した場合、合格までの勉強時間を400~600時間程度にまで短縮できます。これは長年培ってきた大原独自のノウハウが詰まった講義やカリキュラムを利用することで、効率的に簿記1級の知識を身に付けられるからです。
簿記1級を最短で取得したい方はぜひ一度こちらから大原の資料請求をしてみてください。
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