財務省(技術職):

清水 孝 教授

澤 雄大さん

法務省保護局総務課 法務専門官

■入省年
2011年

■入省後の略歴と業務内容
2011年 法務省入省 保護局観察課・参事官室/刑法・更生保護法等改正に向けた各種対応
2012年 鹿児島保護観察所 保護観察官/刑務所出所者等への指導・支援
2013年 大臣官房会計課・人事課/予算要求・編成作業等
2015年 厚生労働省職業安定局就労支援室/就労困難者の就職支援に関する企画立案
2017年 大臣官房秘書課・国際課/国際会議の準備・調整、各国大使館との連携等
2019年 保護局更生保護振興課/刑務所出所者等への住居支援に関する企画立案
2021年 大臣官房秘書課企画再犯防止推進室/再犯防止施策に関する総合調整、第二次再犯防止推進計画の策定
2023年 保護局総務課(現職)/更生保護施策に関する総合調整、広報

Q1:国家総合職を目指した理由および入省先を選択した理由を教えてください。

法学部に在籍していたことから、漠然と、学んだ法律の知識を少しでも生かせる職に就きたいと思っていました。そのような学生は多いと思いますし、スタートはそういった「何となく」でよいと思っています。そのような中、霞が関で開催された学生向けのセミナーに参加したことがきっかけで、法務省を始めとする各省庁の仕事を知るとともに、制度を作る側である公務員に魅力を感じるようになりました。法務省には、全国に地方支分部局(矯正施設、保護観察所、法務局等)が設置されており、本省と最前線の現場、両方を経験できます。また、そういった経験を積んだ職員の話は、学生であった当時の私にとって非常に魅力的なものでした。一生勤めるかもしれない職場です。業務内容以上に職員や職場の雰囲気は重要と感じていました。

Q2:入省先の職場の魅力はなんですか?

法務省は、国民が社会生活を営む上で必要な基本的なルールを定めるとともに、一人一人の権利の実現を助けるための登記制度の運用や人権擁護活動、犯罪や非行をした人たちの処遇とその社会復帰支援、再犯防止のための取組など、その所掌は多岐にわたります。これらはいずれも、国民一人一人の生活や経済活動を支えるために不可欠なものです。また、法務行政は「人による人のための行政」と呼ばれることがあります。全国で5万人を超える職員一人一人が、「国民生活の基盤を支え、安全・安心な社会を守る」という意識で日々業務に当たっています。こうした行政分野の本省と現場、両方を経験することで、国民に寄り添う現場感覚を持ちながら、政策の企画立案を担うことができるのは法務省の魅力だと感じています。

Q3:これまでの業務の中で印象に残っているエピソードを教えてください。

入省2年目で鹿児島保護観察所の保護観察官を経験しました。唯一の現場勤務であり、数多くの思い出があります。また、7~8年目に在籍した国際課では、大規模な国際会議の準備や海外出張など、多くの刺激がありました。その中でも、昨年度までの2年間在籍した大臣官房秘書課企画再犯防止推進室での業務は最も印象に残っています。法務省を中心として政府では、犯罪をした者等の再犯防止に向けて、就労や住居の支援、薬物依存からの回復支援など、様々な施策に取り組んでいます。昨年度は、こうした政府の取組を今後5年間の計画としてまとめる業務を担当しました。大学教授などの有識者や関係省庁に参画いただいた検討会を計8回開催し、それぞれの意見を調整し、約1年間をかけて計画を閣議決定できたときは、非常に達成感がありました。

Q4:今後取り組みたい業務はどんなことですか?

本年度からは、保護局総務課で、更生保護施策に関する総合調整や広報業務を担当しています。「更生保護」とは、犯罪や非行をした人を社会の中で適切に処遇し、地域社会の理解・協力を得て、自立し、改善更生することを助けることにより、安全・安心な地域社会を作ることを目的とするものです。刑法犯の認知件数は年々減少しており、受刑者や保護観察対象者の数も同様に減少しています。

一方で、犯罪や非行の背景にもなっている孤独・孤立や「生きづらさ」を抱える人は数多くいます。こうした一人一人に向き合い、互いに支え合えるような地域社会を築いていけるよう、必要な施策を検討していくとともに、国民の方々に正しく御理解いただけるよう、分かりやすい広報活動を展開していきたいと考えています。

Q5:国家総合職を目指す受験生へのメッセージをお願いします。

人生は選択の連続と言われますが、その中でも就職先の選択は大きなウェイトを占めると思います。公務員に限っても、霞が関の各省庁や地方公共団体など多くの選択肢があります。説明会やセミナーなどのイベントに積極的に参加して、業務内容だけでなく、それぞれの職員・職場の雰囲気を感じてほしいと思います。職員や職場の雰囲気は、仕事の内容がにじみ出ると考えています。法務行政は、「人による人のための行政」と呼ばれるように、職員一人一人が国民一人一人に真摯に向き合い、生活を支えるという気持ちを持って、業務に当たっています。皆さんが、御自身に合った就職先を選択できることを願っています。

最後に、法務省では、各種イベントやSNSを活用した情報発信も多く行っていますので、ぜひ覗いてみていただけたら嬉しく思います。だ職員の話は、学生であった当時の私にとって非常に魅力的なものでした。一生勤めるかもしれない職場です。業務内容以上に職員や職場の雰囲気は重要と感じていました。