財務省:
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竹谷 綾(タケタニ アヤ)さん

竹谷 綾(タケタニ アヤ)さん

財務省 大臣官房政策金融課 課長補佐

■入省年
2017年

■入省後の略歴と業務内容

2017年 大臣官房文書課 財務省内の法令審査と国会業務のとりまとめを担当。開会中は日替わりで国会議事堂内に勤務し、政治と行政間の調整に奔走。

2019年 福岡国税局 法人の税務調査を担当。国税行政の執行の最前線に身を置く。

2020年 国際局国際機構課 コロナ危機で世界が揺れる中、G7/G20での国際金融政策を担当。また、翌年はIMF担当として、脆弱国を支援するための新たな基金創設に向けて各国と調整。

2022年 米国留学(Harvard Kennedy School) 大学院にて経済と金融論を研究。

2023年 大臣官房政策金融課 日本政策投資銀行(DBJ)等を含む政策金融機関について、政策立案・監督業務を担当。

Q1:国家総合職を目指した理由および入省先を選択した理由を教えてください。

幼少期を米国で過ごし、日本人としてアイデンティティに助けられも、苦しめられもした原体験から、①日本の次世代に幸せな未来を残したい、また、②世界で日本を代表できる立場になりたいとの強い気持ちを持っていました。そうした思いを抱く中で、財務省は、予算や税制など、国家の骨格となる政策に携わりつつ、国際的なキャリアを積む機会にも恵まれている点が決め手となり、入省を志しました。また、具体的なキャリアパスを描く中で、地方の執行現場に出たり、海外の大学院で専門性を深める機会がある点も、自分の人生の幅を広げる上で非常に魅力的だと感じました。

Q2:入省先の職場の魅力はなんですか?

入省してから驚いたことは、学生時代に聞かされていたよりもさらに財務省の所管政策分野が広く、多様な形でキャリアを積むことが可能な点でした。例えば、いわゆる予算・税制だけではなく、国債市場や為替市場等、様々な市場に対応するマーケット関連政策や、国際金融システムの安定や途上国開発等を扱う国際金融政策があります。これまでの経験と異なる新しい政策分野での仕事は大変ですが、その分、濃密なインプットを通して勉強しますし、入省して年月が経っても自分の成長曲線が緩やかになることはありません。また、国際金融機関や大使館等の海外勤務・地方自治体への出向等、様々なフィールドで活躍する機会がある点も大きな魅力です。

Q3:これまでの業務の中で印象に残っているエピソードを教えてください。

これまで印象に残っている業務は無数にありますが、特に、2020年、コロナ危機で途上国が経済悪化に苦しむ中、その対応に奔走した国際局の業務は忘れられません。その当時、G7・G20等の主要国やIMF・世銀との議論の中で日本の立場を代表する意見をドラフトしたことや、実際に海外出張して国際交渉の一端を担えたことは、とても刺激的な経験で、まさに「世界を良くするために動いている」と実感した瞬間でした。さらに、実際に途上国に必要な資金が渡るよう、緻密な金融のモデル設計に携わったことで、国際金融の専門性を深めることができました。

Q4:今後取り組みたい業務はどんなことですか?

中長期的には、自分の原点に立ち返り、予算・税制といった手触り感のあるツールを通じて、次世代の資産となる制度作りに関わりたいと考えています。同時に、国際金融機関等での海外勤務にも挑戦し、グローバルにも活躍できる人材として常に成長し続けることを志しています。また、コロナによる留学延期や想定外の係長業務等、これまでの経験を通じて、自分の予想していなかった仕事から思いがけず学ぶことは多々あると実感してきました。そのため、あまり狭く決めつけすぎずに、国の20年や50年後を見据えて、様々な機会に柔軟な姿勢で取り組んでいきたいと思っています。

Q5:国家総合職を目指す受験生へのメッセージをお願いします。

私の留学先であるハーバード大学ケネディスクールの校訓は、ケネディ大統領の就任演説の一節である“ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country”が由来です。まさに誰かが社会問題を解決してくれることを受け身の姿勢で待つのではなく、自らが日本・世界の課題に立ち向かうことを志す人にとって、財務省の仕事は日々、発見とやりがいが溢れています。特に、次世代に残る礎を作れること・国際的な場面で日本を代表する仕事の両方ができることは国家公務員ならではの醍醐味です。是非、志ある皆さんと霞ヶ関で働けることを楽しみにしています。