
仁平 孝明(ニヒラ タカアキ)さん
経済産業省 大臣官房秘書課 課長補佐(採用班長)
■入省年
2014年
■入省後の略歴と業務内容
2014年 製造産業局 自動車課 係員 【課全体のとりまとめ業務、ルノー・日産統合問題や自動車業界の下請け構造の分析業務等】
2015年 資源エネルギー庁 核燃料サイクル産業課 係長 【電力自由化後の核燃料サイクル事業の円滑化のための法改正、同事業費用の再精査、日米原子力協定見直し等】
2017年 貿易経済協力局 投資促進課 課長補佐 【多国籍企業の国際課税制度の見直し、日本企業の海外M&Aサポート、インフラ投資支援等】
2019年 貿易経済協力局 安全保障貿易管理政策課 課長補佐 【外為法改正(外資企業による日本企業への投資規制の見直し)】
2020年 中小企業庁 金融課 課長補佐 【コロナ禍を受けて、急遽着任!無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)制度の創設・ベンチャー支援等】
2020年 JETROブリュッセル 【欧州の動向調査・日欧連携促進(グリーン・デジタル等)】
2023年 イノベーション・環境局 環境経済室 室長補佐 【GX(グリーントランスフォーメーション)・カーボンプライシング】
2025年 大臣官房 秘書課 課長補佐(採用班長) 【次代の人材発掘】
※職務(役職)は取材時のものとなります。
Q1:国家総合職を目指した理由および入省先を選択した理由を教えてください。
元々国家公務員に関心がなかった私が経産省を意識したきっかけは、大学生の時に経験した東日本大震災です。日本社会全体が大きな危機に陥り、先行きに悲観的な雰囲気が流れる中で、自分はそれをただ傍観することしかできないのかという歯がゆい想いを感じたことから、もっと社会全体に貢献できる仕事をしたいと思うようになりました。そこから、経産省を志望したのには主に2つの理由があります。一つは、自分が「日本全体が前向きにリスクをとって挑戦することに寛容な社会」を作りたいとおもったときに、産業界等とも協働して社会全体への波及力が大きい仕事ができると思ったからです。もう一つは、キャリアの多様性です。若手のときから自分でキャリアを主体的に考えて、唯一無二のキャリアを創っていく、そういったアクティブな先輩が多かったことに惹かれて経産省に入りました。
Q2:入省先の職場の魅力はなんですか?
経済産業省は、この国や国際社会を良くしたいという想いと責任感をもった多様な個人が、共通の価値観の下、理想の姿に向かって邁進し、理想を実現していくプラットフォームです。そこには、手を挙げて能動的に動く若者に自由と賞賛を贈る文化、無いものは創ればいいと当たり前に考える価値観、そして、挑戦する若手職員を応援しながら自らも挑戦者であろうとする先輩職員がいます。そして、資源でも人口でもなく、経済で立国している日本では、社会保障、財政再建、地方創生、インフラ整備、安全保障、あらゆる課題を解決する上で、経済基盤の構築が国家の本質的な課題であり、経済産業省は、そうした本質的課題に真正面から立ち向かえる唯一の官庁であることが最大の魅力です。
Q3:これまでの業務の中で印象に残っているエピソードを教えてください。
これまで幅広い業務を経験していて、どれもとても濃い経験でしたが、直近の排出量取引制度の制度設計はとても貴重な経験でした。国全体として、GXを進めていこうという大きな方針は固まりつつも、そのための鍵となる排出量取引制度の設計についてはなんら具体的な案が出来ていない状態でした。まずは、課の中で諸外国の例や日本企業の状況等を踏まえて素案を作成し、その案を幹部にぶつけ、ある程度形になったら産業界や有識者にあてる・・・このプロセスを何度もこなして、最後は条文になり法律案として国会で成立したときは大きなやりがいと意義を感じました。
Q4:今後取り組みたい業務はどんなことですか?
自分のキャリアの軸はエネルギーとGXにあると思っています。今後も続いていく課題でもあるので、またこの分野に戻って、日本の脱炭素と経済成長の両立や、実効的なエネルギー政策の策定に携わりたいと考えています。ただ、これまで自分を大きく成長させてくれた仕事、例えばエネルギーや経済安保に関する業務は自分では当時まったく知らない分野でした。こうした未知の領域に飛び込むことで、自分の可能性を試してみたいという気持ちもあります!
Q5:国家総合職を目指す受験生へのメッセージをお願いします。
この国の真の繁栄とは何か。繁栄のために社会をどうデザインするか-。残念ながら正解はありません。経産省は複雑化する経済社会、多様化する価値観に向き合いながら、多義的な“豊かさ”を志向します。それぞれの職員が、それぞれの変えたい“原風景”を持ち、現場を駆けずり回りながら自ら課題を設定します。その解決のために、経産省の枠、官の枠、日本の枠すら超えて、関係者を巻き込んでいきます。経産省には、人材に惜しみなく投資する風土、新しい提案を受け入れる柔軟性、それを実現できるだけの実行力があります。そして何より、最前線で世の中を変えてきた、百戦錬磨の先輩たちがいます。社会を本気で変える気概を持った皆さんのチャレンジを待っています。
資格の講座以外の学習スタイル
大原学園グループでは、この他にも資格を取得できる学習スタイルをご用意しています。