
喜久川 裕起(キクカワ ユウキ)さん
環境省 大臣官房秘書課 人材育成専門官
■入省年
2019年
■入省後の略歴と業務内容
2019年 環境省入省、地球環境局総務課に配属(気候変動対策に係る国会対応等の取りまとめ。)
2020年 福島地方環境事務所中間貯蔵部土壌再生利用推進課へ異動(飯舘村長泥地区での事業推進担当、地元調整の最前線に。)
2022年 環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室へ異動(プラスチックの資源循環担当、自治体・企業との調整を一手に引き受ける。)
2024年 大臣官房総務課へ異動(環境省所管の法令審査を担当。)
2025年 大臣官房秘書課に併任(総合職事務系の採用を担当。)
※職務(役職)は取材時のものとなります。
Q1:国家総合職を目指した理由および入省先を選択した理由を教えてください。
社会に役に立つ仕事がしたい、そう漠然と思っていたことが国家公務員を選択肢の一つとして選んだきっかけです。就活中、民間企業や地方自治体を見ていたとき、偶然参加した環境省の説明会において、環境省の原点である水俣病にこれまでどう取り組んできたのか、未来世代にわたって影響を及ぼす気候変動問題をグローバルにどう解決するのかの説明を受けたのですが、立場として弱い人のそばに寄りそう、声なき声を大切にするという職員の方のマインドに感銘を受け、また多様なアクターと協調しながら責任をもって社会を動かしていくという仕事のやり方に自分の中でやりがいを感じ、環境省を選択しようというきっかけとなりました。
Q2:入省先の職場の魅力はなんですか?
「環境」という観点から幅広い分野に関わりつつも、一貫して「人と環境を守る」という信念を持って仕事ができる点です。
気候変動を始めとする環境問題は重要な社会課題であり、環境分野への取組は企業活動等においても益々重要視されるようになってきました。それに応じて、環境政策への期待は日々増しており、法律・予算・外交など、様々な政策ツールを駆使し、より良い環境・より良い社会を実現するために働くことができるのが環境省です。
また、職場の雰囲気として風通しの良さが挙げられます。環境省は霞が関の中では規模の小さい省庁のため、幹部から1年目職員まで顔の見える関係があり、働きやすいと感じます。さらに、入省年次にとらわれず様々なことにチャレンジさせてもらえる風土があることも魅力です。
Q3:これまでの業務の中で印象に残っているエピソードを教えてください。
入省2~3年目に福島に赴任し、復興再生に関する仕事をとして、飯舘村長泥地区での除去土壌を活用した農地の復興事業を進めていました。地元の行政区の方の家を訪問して事業の進め方を相談したり、時には自分の携帯電話に地元の方からお叱りの電話がかかってきたりと、密接なコミュニケーションを行っていました。赴任時、長泥地区は帰還困難区域に設定されていましたが、2023年に一部区域で避難指示が解除され、解除後少し時間が経った後地元の方とバーベキューをしたのですが、その時に「ようやくここまで来た、これで前を向いて希望を持てる。」とおっしゃっていたことが大変印象に残っています。自分の仕事が少しでも住民の方の前を向くきっかけになった、その点胸にこみあげるものがありました。
Q4:今後取り組みたい業務はどんなことですか?
特定の分野の希望はありません。というのも環境省に入る前は、あまり興味のなかった福島復興や資源循環の仕事に携わったときに、その仕事の面白さややりがいに気づいたからです。これはその分野の仕事を毛嫌いしていては体験できなかったですし、思わぬ仕事が自分のやりたいことを気づかせてくれたともいえます。変化の激しい時代の中で、環境省の求められる役割は年々変わっていきます。目の前に与えられたキャリアに全力で取り組む中で起こる様々な出来事に対して、好奇心を持って前向きに柔軟に挑戦していくという姿勢を忘れないように働いていきたいなと考えています。
Q5:国家総合職を目指す受験生へのメッセージをお願いします。
国で働くことは決して楽なものではありませんが、国という立場だからこそできる、むしろ国でしかできない仕事は確実に存在します。調整が難しかったり、前例がなく正解のない正解を模索したりするような困難を極める場面もありますが、その過程で得られるもの、完遂させて得られる達成感は非常に大きな果実です。
職業選択をするに当たり、様々な観点で進路を決められると思います。私自身は、自分のやりたい世界に飛び込むことが最善と思っていますが、その選択肢の一つとして、国家公務員があれば嬉しいです。ぜひ各府省庁の施策に触れる機会を作っていただき、国の仕事を体感してみてください。
資格の講座以外の学習スタイル
大原学園グループでは、この他にも資格を取得できる学習スタイルをご用意しています。