大切なのは、仕事をしながら、いかに勉強する時間をつくるか
- ―― 仕事と受験勉強の両立について…
- 大切なのは、仕事をしながら、いかに勉強する時間をつくるか。学生と比較した場合、社会人は圧倒的に時間が取れないことは最初からわかっているので、その状況での工夫次第ではないでしょうか。
私は毎朝5時半に起きて始業前に2時間、お昼休みに30分勉強しました。17時30分になったらすぐに仕事を切り上げて大原へ。大原がない日は、カフェで20時くらいまで勉強していました。それから帰宅し、夕飯を食べた後に23時半くらいまでその日の復習をして寝るというのが1日のスケジュールです。
この生活を約1年半続けましたが、家庭も会社も協力的でしたから、毎日淡々と決めたことをやり続けるだけでした。妻はあらゆる面でサポートしてくれましたし、会社も私の状況を知っているので、たまに飲み会に参加しても勉強があるだろうから一次会で帰っていいと気遣ってくれて。しっかり二次会も参加してましたけど(笑)。
また、モチベーションが下がることはありませんでしたが、朝起きられない日が数日続くことがあり、自己嫌悪まではいきませんが、ちょっとマズいなと思ったときは何度かありました。そういうときも毎日机に向かう習慣は変えずに丸一日勉強しないという日は作らず、早く起きるためにできるだけ早く寝ることを心がけました。
日々の勉強のルーティンから多少外れても大崩れしないようにし、とにかく毎日の積み重ねを大切にしました。苦しい時期もありますが、筋トレと一緒で毎日続けるとそれが当たり前になります。私のような凡人は、そこまでやらないと土俵に上がれないと謙虚に考えていましたから。
- ―― 社会人一発合格できた勝因は…
- いくつかあると思いますが、まずは効率の良い勉強計画ですね。 2021年3月頃から、大原の講義・演習スケジュールが出るたびに実施および復習の時間を見積り、何回転すべきか考えました。
そして、実際に勉強に充てられる時間を見積もります。たとえば、平日は1日4時間で週20時間、休日は1日8時間で週16時間、1週間の合計が36時間です。社会人だと時間が足りないので、重要度に応じて優先順位をつけて割り振り、要した時間を把握しながら計画との差異を確認。差異が大きい場合は計画を見直しました。
自分自身に対する規律が大切なのと、うまく実行できないときは担当講師に相談すると良いと思います。
あと勝因としては、勉強できる環境をうまくつくれたことです。前述したとおり、私の場合、戦略的な転職と妻の献身的なサポートが大きいですね。とくに後者については受験勉強中に子どもが生まれたものの、出産時は基本的に実家で過ごしてもらい、短答試験後に戻ってきてもらいました。また、戻ってきてからも私が勉強する時間を最優先してくれて、子供の面倒はすべて妻が見てくれたのです。この点だけに限らず、妻には感謝しかありません。
論文試験の2週間前、会社から受かってこいと休みをもらい、当時コロナが蔓延していたので自宅にこもって最終的な追い込みに。私の邪魔にならないようにと、日中、妻と子どもは外出していたところ、二人ともコロナに罹患。幸い私は感染しなかったものの濃厚接触者ですから隔離期間を要しましたが、試験日にはギリギリ間に合いました。とても運が良かったと思っています。