ケアマネージャー試験の合格には過去問が重要!試験内容や学習法も解説!

ケアマネージャーになれば、介護業界において安定した雇用が期待できます。そのため、資格の取得を目指している方も多いのではないでしょうか。

ケアマネージャー試験の合格に向けて、過去問を取り入れた学習は重要なポイントです。

この記事では、過去問学習の重要性や、効果的な学習法を詳しく解説します。併せて、試験内容も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【山野講師の自己紹介】

山野 祐子

大学にて社会福祉学を学び、卒業後は障害児分野、医療分野、高齢者分野と経験を重ね、相談員として約16年間勤務。高齢者福祉施設で相談員として働きながら社会福祉士国家試験とケアマネージャー資格を取得。ケアマネージャー資格取得後は、相談員をする傍ら施設ケアマネージャーとしての役割も担ってきた。現在、ケアマネージャー講座のほか、社会福祉士、介護福祉士講座を担当している。

ケアマネージャーの過去問学習の重要性

ケアマネージャー資格試験の合格に向け、過去問学習を取り入れるべき理由は2つ挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

試験問題の傾向を把握できる

過去問を解くことで、過去に出題された試験問題の傾向を把握できます。ケアマネージャー試験では広い試験範囲が設けられていますが、実際に試験問題として出題される問題数は一部分です。

闇雲に試験範囲を勉強するのではなく、過去問を使ってこれまでの出題傾向をつかむことで、より効率的な学習が可能となるでしょう。

ケアマネージャーの過去問は、印刷された問題集や、スマートフォンもしくはタブレット端末で利用できるアプリケーションなどがあるため、自分に適したものを入手できます。

苦手な問題を絞り込める

過去問を使って学習していくうちに、自身が苦手とする問題が絞られてきます。問題を間違えたら、あとから見返せるように目印をつけておきましょう。

間違えた問題を苦手なまま放置しておくのではなく、何度も取り組んで苦手意識を解消することが大切です。

間違えた問題を重点的に復習することで、ケアマネージャーに関する知識の向上を目指せます。また、専門用語などは丸暗記して覚えるのではなく、しっかりと中身を理解しながら学習することで、類似問題への対応力も身につけられるでしょう。

【山野講師ならではのポイント】

はじめに過去問題を解くときには、問題の傾向つかむと同時に、まずは自分の力で一度解いてみましょう。そのなかで知らないことがたくさん出てくると思いますが、まずは知らないこと、わかっているようでわかっていないことを知ることが第一歩です。そのうえで知っていることを一つずつ増やしていくようにしましょう。過去問を1度解いただけですべてを理解するのは不可能です。繰り返し解くなかで、知っていることを増やし、あいまいだった知識を人にも説明できるくらいにはっきりさせていくことが大切です。

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ケアマネージャー講座 合格者の声

ケアマネージャーの過去問を使った効果的な学習法

ここからは、ケアマネージャー試験を受けるにあたって効果的な過去問学習法を4つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

早い段階から過去問を解いてみる

テキストや参考書などを使った学習を終えた段階で、該当する学習範囲の過去問を一度解くことをおすすめします。これは、早い段階で過去問を解くことで、頻出する問題を把握でき、その後の学習効率がアップすることが理由です。

はじめのうちは解答を間違えても、あまり気にする必要はありません。大切なのは、問題の出題傾向をつかむことや、間違えた問題を復習することです。実際に過去問を解くことで、ケアマネージャー試験の解答方式に慣れておけるというメリットもあります。

また、ケアマネージャー試験では、制度改正や時事に関する問題が出題されることもあります。そのため、試験の3ヵ月ほど前になったら、直近5年の過去問を中心に問題を解いていきましょう。

直近5年の過去問を解くことにより、制度改正や時事に関する問題の出題傾向をより正確につかめるようになります。

間違えた問題を重点的に復習

過去問を解くなかで、あとから見返しやすいように、間違えた問題に目印をつけるようにしましょう。目印をつけておいた問題を重点的に復習し、少なくとも試験前までには必ず苦手な問題を克服することが大切です。

1回ごとの学習の積み重ねが、実力アップのためには欠かせません。過去問題集を3回ほど解いて知識を定着させると、実力がより確実に身につくでしょう。

余裕のあるスケジュールを立てる

ケアマネージャー試験の合格を目指すためには、できるだけ毎日の学習を習慣化させることが重要です。まずは試験日から逆算して、その日までの学習計画を立てましょう。

その際、余裕のあるスケジュールを立てることをおすすめします。例えば、急な用事や仕事が入ったことで、スケジュール通りに勉強がはかどらないケースも予想できるためです。

ケアマネージャー試験を受験するのは、基本的には社会人として働いている方ばかりです。そのため、一日に確保できる勉強時間を具体的に想定したスケジューリングが重要になるでしょう。

はじめから余裕のないスケジュールだったり、適当に組んだスケジュールだったりすると、あとから挽回するのは至難の業です。毎日の学習を習慣化させるためにも、必ず余裕を持ったスケジューリングを心がけましょう。

【予想問題】近年の介護保険法改正をチェック

ケアマネージャー試験を受ける際は、近年の介護保険法改正の内容をチェックしておくことが大切です。

介護保険制度は、介護保険法に基づいており、3年ごとの改正を続けています。そのため、ケアマネージャーの試験問題に直近の介護保険法改正の内容が、新たに加わる可能性は高いといえるでしょう。

例えば、2016年に実施された試験では、「介護支援」の分野で、2014年の介護保険法改正に関連する問題が5問出題されています。過去問やテキストを使った基礎的な学習に加えて、このような制度改正に関する問題へ対策しておくことは重要です。

年度によって出題数は変わりますが、介護保険法改正に関する問題は合否にも関わる可能性があるため、予想問題としてしっかりとチェックしておきましょう。

また、介護報酬に関する問題も、直近の介護報酬改定での変更・追加点を把握しておくと、得点アップへつながる可能性が高まります。

【山野講師ならではのポイント】

制度を学ぶうえで改正項目を理解しておくことは重要ですが、全体の問題を見たときに出題されるのはごく一部です。ですので、あまり細かなところまで追いかけないことも大切です。改正情報については、変更となった新しい内容をただ覚えるだけではなく、例えば、このような事情があったから、もともと○○だったものが、どう変わったのか、といったように重要ポイントに関する改正の前後をおさえておきましょう。

大原講師陣が実際の過去問を解説!

実際の問題を取り上げながら解き方などを解説します。

受講生が苦手とする問題

地域支援事業について正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1.介護予防・生活支援サービス事業には、生活支援体制整備事業が含まれる。
  • 2.介護予防・日常生活支援総合事業の財源には、第2号被保険者の保険料が含まれる。
  • 3.包括的支援事業は、公益法人以外に委託できない。
  • 4.一般介護予防事業には、地域リハビリテーション活動支援事業が含まれる。
  • 5.一般介護予防事業には、介護予防に関するボランティア等の人材の育成が含まれる。

解答

2・4・5

介護保険法の地域支援事業に関する問題です。
地域支援事業は近年、頻出項目となっていますが、毎回、出題されるポイントは異なっていますので、過去問の問題と解説を暗記するだけでは対応することができません。

また、全体像を理解しないまま、部分的な暗記をしても、何を覚えているかがわからず、直に忘れてしまいます。

このような項目は、その項目の全体像を把握したうえで、全体像である骨組みに、肉づけするように知識を身につけることが重要となります。

地域支援事業、①介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)、②包括的支援事業、③任意事業の3つの事業があります。

①の介護予防・日常生活支援総合事業には、「介護予防・生活支援サービス事業」と「一般介護予防事業」があります。「一般介護予防事業」には、「介護予防把握事業」や「地域リハビリテーション活動支援事業」などがあります。
②の包括的支援事業には、「総合相談支援」「権利擁護」「在宅医療・介護連携推進事業」「生活支援体制整備事業」「認知症総合支援事業」などがあります。これらの概要が身にいていれば、上記過去問の選択肢「1」や「4」は容易に判断することができます。

上記の概要は、文書では理解しにくいので図や表等を使用して全体像を整理したうえで覚えることで、試験に対応できるようなります。

大原の受験対策講座では、各項目の概要や全体像を理解したうえで、効率よく学習できるよう講義レジュメ等を使用し説明を行なっています。また、過去問を活用方法などもお伝えしますので、一人で学習を行なうのに不安のある方におすすめです。

過去問を解く前に試験内容と合格率も把握しておこう!

ここからは、ケアマネージャー試験の内容と合格率について解説します。過去問学習をはじめる前に、しっかりと把握しておきましょう。

試験問題は2分野から出題

ケアマネージャーの試験では、「介護支援」と「保健医療福祉」の2つの分野から試験問題が出題されます。

「介護支援」の分野においては、介護保険制度、要介護認定等に関する基礎知識などが試験範囲です。「保健医療福祉」の分野から出題される問題と比較して、ケアマネージャーとしての専門性がより問われる試験内容でしょう。

一方、「保健医療福祉」の分野では、保健医療サービスの知識等、福祉サービスの知識等に関する試験問題が出題されます。ケアマネージャー業務に関わる介護保険制度と、直接的には関係ない領域の知識も求められる点も踏まえて、勉強する必要があります。

60問の五肢複択式

試験問題は合計60問で、五肢複択式のマークシートで出題されます。五肢複択式とは、5つある選択肢のうち、2つもしくは3つを選択する回答方式です。

そのため、より一般的な回答方式である五肢択一式のように、自分のわからない問題であっても、5分の1の確率で正解するという偶然はありません。1つ1つの問題に対する正確な知識がなければ、ケアマネージャー試験の合格は難しいといえるでしょう。

また、60問の内訳は「介護支援」分野から25問、「保健医療福祉」分野から35問という構成です。1問1点の点数配分で、各分野の正答率70%が合格基準点と定められています。

ただし、合格基準点は問題の難易度に応じて変更されるため、正答率が50~60%台に設定されている年度もあります。

試験時間は120分

ケアマネージャー資格の試験時間は120分です。

同じ介護関連の資格である介護福祉士の筆記試験は、問題数125問に対して220分の試験時間です。また、同じく介護に関わる資格の社会福祉士の試験は、問題数150問に対して240分の試験時間に設定されています。

これら2つの資格試験の回答方式は五肢択一式(社会福祉士は一部2つ選ぶ問題あり)であるのに対して、ケアマネージャーは五肢複択式です。

このことからも、ケアマネージャーの試験では、深い理解度と解答のテンポ感が求められることがわかります。試験に合格するためには、十分な試験対策が必要となるでしょう。

【山野講師ならではのポイント】

ケアマネの試験時間120分に対して、60問の出題なので、単純に割ると1問あたり2分となります。実際にはマークミスがないかなどの見直し時間なども考えるともう少し短い時間で解答していくスピードが求められます。五肢複択方式のケアマネでは、1問に対して5つの選択肢すべてに目を通すことは必至なので、考え込んでしまうと時間が足りなくなってしまうリスクもあります。本番の試験では、自分が見たこともない問題や難問といえる問題も必ず出題されるので、そのようなときは考え過ぎず、割り切って問題を進めていくことも大切です。

ケアマネージャー試験の合格率は「10~20%程度」

ケアマネージャーの試験合格率は、例年10~20%程度と低めの傾向です。同じ介護関連の介護福祉士、社会福祉士の合格率と比較してみましょう。

  • ケアマネージャーの試験合格率
    • 第24回(令和3年):23.3%
    • 第25回(令和4年):19.0%
    • 第26回(令和5年):21.0%
  • 介護福祉士の試験合格率(筆記・実技含む)
    • 第33回(令和3年):71.0%
    • 第34回(令和4年):72.3%
    • 第35回(令和5年):84.3%
  • 社会福祉士の試験合格率
    • 第33回(令和3年):29.3%
    • 第34回(令和4年):31.1%
    • 第35回(令和5年):44.2%

上記内容からもわかるように、3つの資格試験のなかでもケアマネージャー試験の難易度は比較的高いといえます。

合格率が低いことの理由の一つとして、ケアマネージャーには厳しい受験資格が設けられている点が挙げられます。ケアマネージャー試験の受験資格を取得するためには、国家資格等に基づく業務、もしくは相談員業務などで5年以上の実務経験が必要です。

一方、介護福祉士と社会福祉士の受験資格を取得するルートは、大学や専門学校などで指定科目を履修したり、養成施設で学んだりと、必ずしも実務経験が必須というわけではありません。

ケアマネージャー試験を受験するのは基本的に社会人であり、働きながら試験合格に向けて勉強しているということになります。

忙しい毎日を送るなかで、計画を立てずに勉強時間を確保するのは難しいため、事前のスケジューリングをしっかりとしなければなりません。限られた時間のなかで、効率的な勉強を行なうことが、ケアマネージャー試験の合格へ近づく重要なポイントとなります。

【山野講師ならではのポイント】

スケジュールを決めて学習をしようと机に向かっても、結局気乗りせずあまり進まなかった、という経験はありませんか?学習のスケジュールは、いつ、何時に、どの範囲をどれだけやるのか具体的に決めておくとよいでしょう。実際に学習して進んだ部分は、問題集に日にちを書き込んだり、簡単にまとめた表などに記したりして、学習した足跡を残しておくようにしましょう。そうすることで、学習を進めていく意欲につながり、モチベーションが高まってきます。

ケアマネージャーの過去問・試験対策なら!資格スクール大原がおすすめ

ケアマネージャーの資格取得を目指すなら、資格の大原で学ぶのがおすすめです。その理由について、3つのポイントで解説します。

過去問を使った演習・講義で実力を伸ばせる

大原の講座では、「入門期」「基礎力養成期」「実力アップ期」の3期構成でカリキュラムを進めることが特徴です。特に3期目の「実力アップ期」では、過去問を取り入れた効率的な学習ができます。

基本講義で過去問題集を用いた問題演習に取り組み、頻出する項目の知識を習得します。併せて、大原オリジナルの講義レジュメを用いた重要ポイントの確認や、ミニテストも実施されるため、自分の学習レベルをしっかりと確認できるでしょう。

試験対策講義では、授業で直近の過去問を解き、理解が不十分な項目を復習することで知識の定着を目指します。ポイントを絞った講座を行なうため、基礎的な力を効率よく身につけられるでしょう。

学習スタイルに合わせて講座を選べる

大原では、通学講座(教室通学・映像通学)と、通信講座(Web通信)から、自分に適した学習スタイルを選べることも特徴です。例えば、「ケアマネージャー合格コース」では、映像通学、Web通信の学習スタイルから選択できます。

一方、「ケアマネージャー合格コース 先行学習プラン」では、早く学習を開始したい人向けにWeb通信で受講が可能です。Web通信であればスマートフォンやタブレット端末を使った講義の視聴ができ、24時間いつでも繰り返し学べます。

大原では自分の生活形態に合わせて学習スタイルを選べるため、忙しい社会人であっても無理なくスケジュールが組めるでしょう。

充実のフォロー・サポート体制で学び残しがない

充実したフォロー・サポート体制が整っていることも大原の特徴です。通学講座生であれば、「Web講義が標準装備」されているため、学び残しなく学習できます。

また、講師への質問は、通学講座、通信講座を問わず可能であり、疑問点や不明点をしっかりと解決できます。

このように万全のフォロー・サポート体制を整えているため、ケアマネージャー試験の合格へ向けて、安心して学習を進められるでしょう。

【山野講師ならではのポイント】

講師に質問することで、自分自身わからないことが何なのかを整理して振り返るきっかけになると思います。例えば、自分としてはこのように理解していたけれど違うのだろうかとか、同じような言葉があるけど解説を繰り返して読んでも違いが解らないなど、「解らない」ところが何なのか、その正体を「解る」ようになることは重要ですね。

まとめ

今回は、ケアマネージャー試験の合格に向けた過去問学習の方法や、試験内容を紹介しました。

ケアマネージャー試験は、ほかの介護に関係する資格よりも合格率が低めということもあり、しっかりと計画的に学習していくことが重要です。過去問をうまく活用すれば、合格に向けた試験対策が可能でしょう。

大原では、過去問題集や大原オリジナルの講義レジュメを用いた学習を通して、ケアマネージャー試験の合格を目指す方をサポートします。

複数の学習スタイルを提供しているため、自分に最適なものを選べることもポイントです。ケアマネージャーの合格を目指している方は、ぜひ一度、資料請求してみてはいかがでしょうか。

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【講師プロフィール】

名前
山野 祐子
紹介文
大学にて社会福祉学を学び、卒業後は障害児分野、医療分野、高齢者分野と経験を重ね、相談員として約16年間勤務。高齢者福祉施設で相談員として働きながら社会福祉士国家試験とケアマネージャー資格を取得。ケアマネージャー資格取得後は、相談員をする傍ら施設ケアマネージャーとしての役割も担ってきた。現在、ケアマネージャー講座のほか、社会福祉士、介護福祉士講座を担当している。

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