
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、ケアプランの作成や介護事業者との連絡調整を行なう介護職です。
高齢化にともない需要が高まっているケアマネージャーですが、その年収はどれくらいなのでしょうか。
この記事では、ケアマネージャーの平均年収や職種別の年収について解説していきます。
ケアマネージャーになるための介護支援専門員実務研修受講試験についても解説しますので、ケアマネージャーを目指している方はぜひ参考にしてください。

山野 祐子
大学にて社会福祉学を学び、卒業後は障害児分野、医療分野、高齢者分野と経験を重ね、相談員として約16年間勤務。高齢者福祉施設で相談員として働きながら社会福祉士国家試験とケアマネージャー資格を取得。ケアマネージャー資格取得後は、相談員をする傍ら施設ケアマネージャーとしての役割も担ってきた。現在、ケアマネージャー講座のほか、社会福祉士、介護福祉士講座を担当している。
ケアマネージャーの平均年収について、働く施設による違いや、ほかの介護職との違いについて解説します。
令和7年賃金構造基本統計調査によると、ケアマネージャーの「決まって支給する現金給与額」と「年間賞与その他の特別給与額」は以下のようになっています。
決まって支給する現金給与額 294.0千円
年間賞与その他の特別給与額 633.5千円
決まって支給する現金給与額を月収とみなすと、ケアマネージャーの平均年収は以下の式で表されます。
年収=月収×12ヵ月+年間賞与その他の特別給付額
=294.0千円×12ヵ月+633.5千円
=4,161.5千円
≒約410万円
以上より、ケアマネージャーの平均年収は約410万円となっています。
ケアマネージャーの働く施設は、介護老人施設や訪問介護事業所などさまざまです。施設ごとの月収が異なります。
厚生労働省が公表している令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、施設ごとのケアマネージャーの平均月収は以下のようになっています。
ケアマネージャー(月給・常勤の者)の施設別平均給与額
| 施設 | 平均給与額(円) |
|---|---|
| 介護老人福祉施設 | 416,060 |
| 介護老人保健施設 | 403,680 |
| 介護医療院 | 372,420 |
| 訪問介護事業所 | 391,040 |
| 通所介護事業所 | 341,800 |
| 通所リハビリテーション事業所 | 358,870 |
| 特定施設入居者生活介護事業所 | 399,380 |
| 小規模多機能型居宅介護事業所 | 354,020 |
| 認知症対応型共同生活介護事業所 | 358,900 |
引用:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 第89表」
ケアマネージャーは施設ごとに月収が異なり、最も月収が高いのは介護老人福祉施設で416,060円となっています。
ケアマネージャーの年収を、その他の介護職の年収と比べてみましょう。
令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果から職種ごとの平均年収を算出すると、以下のようになります。
介護職(常勤)の平均年収
| 職種 | 平均年収(円)※ |
|---|---|
| 介護職員 | 4,058,400 |
| 看護職員 | 4,615,440 |
| 生活相談員・支援相談員 | 4,247,400 |
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・機能訓練指導員 | 4,353,600 |
| 事務職員 | 3,811,440 |
| 調理員 | 3,266,880 |
| 管理栄養士・栄養士 | 3,885,720 |
引用:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 第70表」
※平均年収は平均給与額×12ヵ月で算出
ケアマネージャーの平均年収は約410万円ですので、ケアマネージャーの年収は介護職のなかでも高い水準にあるといってよいでしょう。

ケアマネージャーの求人を見ると、正社員のほかにパート採用の求人も多くみられます。パートの場合の時給は地域により差はありますが、求人を見ると1,200~1,400円程度のところが多く、勤務日数や勤務時間など相談に応じているところも多く見かけます。ライフステージに合わせた働き方がしやすい資格といえるでしょう。

ケアマネージャーには、居宅ケアマネージャーと施設のケアマネージャーの2つの働き方があり、働き方によって年収が異なります。
居宅ケアマネージャーと施設ケアマネージャーそれぞれの事業内容と、年収の違いを解説します。
ケアマネージャーの働く場を、サービス種別で見てみると、大きく分けて居宅ケアマネージャーと施設ケアマネージャーに分類されます。
居宅ケアマネージャーと施設ケアマネージャーのそれぞれの特徴を見てみましょう。
居宅ケアマネージャーは居宅介護支援事業所に所属する職種で、居宅という名前のとおり、家に住みながら介護サービスを受けている方を対象に仕事をします。
仕事内容は、ケアプラン作成などの基本的な事務所での作業に加え、利用者宅への訪問や各医療機関との連絡調整などさまざまです。
利用者それぞれに利用している介護事業所やかかりつけ医が異なるため、居宅ケアマネージャーは、情報管理能力やコミュニケーション力が必要な職種だといえるでしょう。
施設ケアマネージャーは、特別養護老人ホーム・老人保健施設などの介護施設で働く職種です。
施設ケアマネージャーの担当件数は居宅ケアマネージャーの3倍近い、1人あたり最大100件となっています。
担当件数が多い施設ケアマネージャーは、居宅ケアマネージャーよりも仕事が大変なのではと思われるかもしれません。
しかし、居宅ケアマネージャーは利用者宅への訪問に時間がかかるのに対し、施設ケアマネージャーは施設内に利用者がいるため、訪問の手間がありません。そのため、仕事にかかる時間を総合的に見ると、両者のケアマネージャーとしての仕事量にそれほど差はないといえるでしょう。

施設ケアマネージャーの場合は、利用者100人に対して1人の配置となるため、施設に1人か2人のケアマネージャーの配置というところが多いです。それに対して、居宅ケアマネージャーの場合は、事業所内に複数名のケアマネージャーがいるところもみられます。業務をやりながら生じた疑問をすぐに同僚に相談することができるという意味では、居宅ケアマネージャーの方が未経験の方でも入りやすいかと思います。

ケアマネージャーが年収を上げるにはどのような方法があるのでしょうか。ケアマネージャーが年収を上げる方法と、ケアマネージャーの将来性について解説します。
近年では、高齢化にともなう介護負担が社会問題となっています。
このような社会の変化にともない、介護職の需要はこれからますます増えていくと予想されています。介護に欠かせないケアプランを作成するケアマネージャーは、居宅・施設問わずに需要の高い職種だといえるでしょう。
ケアマネージャーの年収は、基本的に勤続年数に応じて上がります。時間はかかりますが、長く務めることで年収は着実に上がっていくでしょう。
年収をすぐに上げたいなら、組織内で役職に就いたり、ケアマネージャー以外の資格を取得したりしてみましょう。組織によりますが、役職手当や資格手当が加算され、年収が増える場合があります。
勤めている施設の待遇が悪く、すぐに改善が見込めない場合は、転職も検討してみるのもおすすめです。先にも述べたとおり、相談援助職であるケアマネージャーの需要は高いため、転職先に困ることもあまりないでしょう。
また、ケアマネージャーは施設などに雇用されず独立して働くこともできます。
独立すれば自分の努力と工夫次第で年収アップを目指せるだけでなく、自分の生活スタイルに合わせて仕事量を調節できます。しかし、経理などのケアマネージャー本来の仕事以外の作業も自分で行なわなければならないため、独立のメリット・デメリットを総合的に検討してから判断しましょう。

ケアマネージャー取得後のキャリアアップについては、その上級資格である「主任介護支援専門員」いわゆる主任ケアマネージャーになることができます。主任ケアマネージャーになるための要件は、都道府県などにより多少異なるので確認は必要ですが、専任のケアマネージャーとして通算で一定年数以上勤務した経験等を経てから「主任介護支援専門員研修」を受講する必要があります。居宅介護支援事業所の管理者になることができるのが、原則として主任ケアマネージャーとされており、今後主任ケアマネージャーの需要がますます高まってくることが予想されます。そのためキャリアアップ後も安定した仕事につながるでしょう。
ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、研修を受け、都道府県で介護支援専門員登録をしなければなりません。
ここでは、資格取得の関門である介護支援専門員実務研修受講試験の概要と難易度について解説します。
ケアマネージャーになるには、まず、各都道府県が実施する介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。
試験は都道府県ごとに実施され、受験資格が改正された平成30年度以降の受験者は、年間4~5万人程度となっています。
試験の受験資格には、医療系国家資格の実務経験または相談援助業務経験の期間が定められています。受験資格を満たすのが難しいため、資格や実務経験がない方は、まずは受験資格をえるところから始めましょう。
介護支援専門員実務研修受講試験に合格したら、次は実務研修を受けます。
実務研修は、講義と演習合わせて一定時間以上行なうこととされています。
研修の実施時期は都道府県によって異なるため、研修のタイミングを逃さないように、情報収集しておきましょう。
介護支援専門員実務研修が修了したあと、都道府県へ登録すると、ケアマネージャーとして働けるようになります。
介護支援専門員実務研修受講試験は年に1回、以下のような内容で実施されます。
※試験制度は変更となる可能性もあります。
この試験の一番の特徴は、解答方式が五肢複択式であることです。5つの選択肢から正答をすべて選択しなければならないため、消去法で解答を絞れる択一式よりも、難易度が高くなっています。
また、合格基準が試験の難易度によって変化するという特徴もあるため、合格点ぎりぎりではなく、ある程度余裕をもった得点を目指したほうがよいでしょう。
独学でケアマネージャーになるのは難しいのでしょうか。介護支援専門員実務研修受講試験の合格率から、試験の難易度についてみていきましょう。
介護支援専門員実務研修受講試験の過去5年間の合格率は以下のようになっており、例年10~30%程度と低く、令和7年度では25.6%となっています。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和3年度 | 54,290人 | 12,662人 | 23.3% |
| 令和4年度 | 54,406人 | 10,328人 | 19.0% |
| 令和5年度 | 56,494人 | 11,844人 | 21.0% |
| 令和6年度 | 53,699人 | 17,228人 | 32.1% |
| 令和7年度 | 50,601人 | 12,961人 | 25.6% |
引用:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」
問題の難しさに加え、試験の解答形式が五肢複択であることから、試験の難易度は比較的高いといえるでしょう。
また、受験資格に実務経験が含まれることから、働きながら合格を目指す方も多く、受験生にとっては、仕事の合間に勉強時間をどう確保するかも課題となります。
難易度の高さや学習時間確保の難しさから、独学でケアマネージャーを目指すのは非常に難しいといえるでしょう。

ケアマネージャーの合格を目指す人の多くは、時間に不規則な仕事との両立を迫られています。少ないスキマ時間を有効活用して学習を進めていくためには、独学より受験対策講座などを活用するとよいでしょう。不規則な勤務時間となる仕事の方は、学習計画も立てにくいかと思うので、通信講座などをうまく活用しながら、ポイントを絞った効率よい学習を進めることが重要です。
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合格への秘訣は、いかにモチベーションを高く維持できるかということです。多忙である日常の仕事の傍らで学習を進めるには、本当に強い意志が求められます。はじめはやる気いっぱいで取り組み始めても、仕事で心身が疲れてくるとどうしても目の前の現実から逃げたくなってしまうことも少なからずあるでしょう。受験対策講座では、一緒に学んでいる仲間や講師の存在が近くに感じられます。1人で勉強を進めているときでも同じように頑張っている仲間の存在はとても励みになります。また、講師にいつでも相談できるという安心感は高いモチベーションへとつながっていきます。
ケアマネージャーは働く場所によって年収が異なりますが、全体の平均年収はおよそ410万円となっています。
ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、研修を受けなければなりません。試験の合格率は低く、合格のためには的を絞った効率の良い学習が必要です。
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