【Vol.4】
「令和 8 年度の新年金額 6 月支給分から反映!」

FPゆるっとコラム~人生100年時代のヒント~連載開始
2026/08/21(金)
コラム

皆さん、こんにちは。資格の大原 FP講座担当です。
このコラムでは、昨今話題になっているお金のテーマについて紹介していきたいと思います。
第4回目の今回は「年金支給額」です。

突然ですが、年金の支給額ってどうやって決められているのか皆さんはご存じですか。
加入していた期間や受給開始年齢によって、金額が変わる点はご存じかとは思いますが、その他の要因についてのお話です。

令和8年度の新年金額は1.9~2.0%アップ

令和8年度の改定後の年金額が6月より支給されているのですが、その増額率についてお話ししていきたいと思います。

令和8年度の年金額は令和7年度と比較して「国民年金が1.9%のアップ、厚生年金が2.0%のアップ」となり、異なる改定率となりました。
昨年度から比べると約2%上昇していますが、実は物価の上昇率は3.2%もあり、それと比較するとかなり低い数字になりました。

今回は具体的な年金額の話ではなく、「なぜ物価上昇率よりも年金の増額率が低いのか?」、そして「国民年金と厚生年金で改定率が異なるのはなぜか?」を簡単にお話ししたいと思います。

物価上昇率がなぜ反映されないの?

初めに「なぜ年金額は3.2%の引き上げではないのか?」についてです。
まず、年金額の改定には、物価の上昇率よりも現役世代の手取り賃金の伸びが下回った場合には、賃金の伸びをベースとして年金の改定率を計算するという仕組みがあります。

昨年は物価の上昇率は3.2%で、賃金の伸びは2.1%でしたから、賃金の伸びが下回っていたため、2.1%をベースとして改定することとなりました。

なぜ賃金の伸びをベースに計算するのか?」ですが、今の年金制度は現役世代が払った保険料がそのまま現在の年金受給者に払われるという賦課方式という方式を採用しています。

物価が3.2%上がったからと言って、賃金が2.1%しか増えていないのであれば、2.1%しか保険料を負担する能力は増えていないわけですから、賃金の伸びをベースに計算することになります。
もっと簡単に言うと、年金は現役世代の保険料で支える仕組みだから、現役の賃金以上には増やせないということになります。

賃金上昇率より低く設定される訳

次に、「なぜ賃金の上昇率である2.1%よりも年金の増額率が低いのか?」についてです。
ここにはマクロ経済スライドという仕組みが関係しています。このマクロ経済スライドというのは、物価や賃金の上昇を反映した年金額をそのまま払うのではなく、将来世代の年金の給付水準を確保するために少し節約して、将来の年金受給者のために財源を残しておこうというものになります。

そして、年金の増額率は、賃金の上昇率2.1%からマクロ経済スライドによる調整率をマイナスしたものになります。
この調整率が国民年金では0.2%、厚生年金では0.1%で異なっていたため、
国民年金は 2.1%-0.2%=1.9%の増額率
厚生年金は 2.1%-0.1%=2.0%の増額率
となりました。

このようにスライド調整率が異なる理由ですが、令和8年度から、厚生年金のスライド調整率を1/3に圧縮(緩和)する特例措置が導入されたためです。その結果、国民年金は0.2%、厚生年金は0.1%(0.2%×1/3 ≒0.1%)となり、改定率が異なる形になりました。この特例措置の理由については話が長くなりますので今回は割愛しますが、とにかく今後数年間は厚生年金の方だけスライド調整率が低くなることになります。

ここのコラムでは、これからもお金の話題を、少しずつ分かりやすくお届けしていきます。
「もう少し踏み込んで知りたい」「あの件はどうなんだろう?」と疑問が生まれましたら、それが「学びどき」です。
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