資格の大原による、お役立ち情報をお届けするコラムシリーズです。
(公開:2024.07.02)
4月の組織改編などを経て、5月の大型連休が明けると、ようやく新たな環境に慣れてきた人も多くなる季節です。コロナ禍において生まれた新しい生活や業務のスタイルは「ニューノーマル」として社会に定着し、企業経営やビジネススタイルにおいても、ニューノーマルへの対応が重要な課題となっています。
今回は、ニューノーマル時代を生きるビジネスパーソンに求められるスキルや知識を解説。また、現在就職活動中の学生にとっても、希望する企業にどんな働き方があり、どのような人材が求められているのかということを知る手掛かりになります。
・ポストコロナ時代の「ニューノーマル」な働き方
・セルフマネジメント能力がニューノーマル時代に重要視される理由
・ニューノーマル時代に活躍するためのスキル「DXリテラシー」
新型コロナウイルスの世界的な流行は、人々の生活様式や働き方に大きな変化をもたらしました。デジタル化の促進、オンライン対応の強化、リモートワークの常態化など、従来の常識や価値観から大きく変容したニューノーマル時代は、柔軟な働き方を選択できる環境が整備されつつあり、企業にとっても優秀な人材を確保する手段となっています。
ニューノーマル時代の代表的な働き方には、以下のようなものが挙げられます。メリット・デメリット両方の側面から解説します。
自宅やサテライトオフィスなど、勤務場所に制約されずに働く形態です。通勤時間の削減や働く場所の自由度が高まる一方で、職場とのコミュニケーションや生産性の維持が課題となっています。
ポストコロナを見据えて、リモートワークを恒常的に取り入れる企業は増加しており、デジタル化の進展もリモートワークの環境整備を後押ししています。
従業員が始業・終業時間を自身で決められる制度です。ライフスタイルに合わせた働き方が可能になり、ワークライフバランスの実現に役立ちます。一方で、過剰な長時間労働に注意が必要です。
コロナ禍を機に多くの企業で新設または拡充する動きがみられたこの制度は、テレワークとも相性が良く、ニューノーマル時代の働き方として定着しつつあります。
本業の他に副収入を得る働き方です。収入源の分散化やスキルの活用で有益ですが、労働時間の過多や情報漏洩などのリスクもあります。企業によっては副業規定が設けられています。
コロナ禍で副業ニーズが高まったことから、副業を認める企業は増加中。ポストコロナでは、収入源の分散を求める兆しもあり、副業が一般化する可能性もあります。
インターネット上でタスクを受注し、場所や時間に捉われずに働く形態です。フリーランスとして柔軟に働けますが、仕事の安定性が課題となります。
コロナ禍での対面を避ける動きから非対面でのサービス提供が加速し、それに伴いクラウドワーカーなどの需要は高まりを見せています。ポストコロナではこうした働き方がより一般的になると考えられています。
期間や業務内容の明確な雇用契約に基づき、プロジェクトベースで働く形態です。専門性を活かせますが、雇用の不安定さが課題です。
コロナ禍の影響で正規雇用を見直す企業も多く、ポストコロナではプロジェクトベースの契約社員などジョブ型雇用が増える可能性もあります。
個人が保有する資産や空き時間を活用して収入を得る経済活動で、UberやAirbnbなどが挙げられます。副業として行われることも多く、柔軟な働き方が可能ですが、制度面の課題があります。
ニューノーマル時代の働き方には、リモートワークやフレックスタイム制、副業など、従来とは異なる柔軟性があります。これにより、個人のライフスタイルに合わせた働き方が可能になり、ワークライフバランスの実現が容易になるというメリットがあります。一方で、セルフマネジメント能力が求められ、生産性の維持や職場とのコミュニケーションが課題となります。このように、ニューノーマル時代の働き方には個人と組織の双方にとって、新たな可能性と課題があるのです。
柔軟で個人主体の働き方が一般化するニューノーマル時代においては、自らをコントロールする力が成功の鍵となるため、セルフマネジメント能力が重視されます。
リモートワークやフレックスタイム制、副業などニューノーマル時代の多様な働き方は、勤務場所や時間が自由になるため、セルフマネジメント能力が不可欠です。上司の直接的な管理下にない分、自身で業務を整理し、生産性を維持する必要があります。
また、個人の主体性が求められ、目標設定や計画立案、課題解決などを自ら行うことも期待されます。そのためには強いセルフマネジメント能力が必要となるのです。
セルフマネジメントは単に業務だけにはとどまりません。ニューノーマル時代の働き方は、リモートワークの増加に伴い、仕事と私生活の境界線が曖昧になりがちです。精神的・身体的な健康がパフォーマンスに直結するため、ワークライフバランスの実現が不可欠です。セルフマネジメントにより、自身のウェルビーイングを高めることが求められています。
DXリテラシーとは、デジタル技術を理解し、活用できる能力のこと。リモートワークやオンラインサービスの普及、AIやIoTなど新技術の浸透により、ビジネスのデジタルシフトが急速に進むなかで、デジタル活用力を身に付けることが、働き方の変革や生産性向上、新規ビジネス創出などの鍵となります。
ニューノーマル時代に「DXリテラシー」が重視される理由は、デジタルトランスフォーメーションの加速により、あらゆる分野でデジタル技術の活用が必要とされているためです。デジタル技術に関する基礎知識とスキルを持たずには、時代の変化に適応できません。DXリテラシーの向上が、企業はもちろん、個人にとっても重要な課題となっているのがニューノーマル時代の特徴です。
ニューノーマル時代の働き方は柔軟性が高く、セルフマネジメント能力が一層重要になります。適切なタスク管理スキルを身に付けることで、効率的な業務遂行が可能となり、個人とチームの生産性が大きく向上します。
タスク管理スキルを身に付ける方法としては、タスク管理アプリやツールの活用、優先順位を明確にするなどの優先順位付け、終了目標時間を設定するなどカレンダーを活用した予定の可視化、一定期間ごとのタスクリストの見直しなどがあります。
情報過多の現代において、質の高い情報を選別し活用できる力がビジネスパーソンには求められます。情報収集力を身に付けることで、競合他社の動きにいち早く気づいたり、的確な判断ができたりするなど、状況に応じた対応力が高まります。
情報収集力を高めるためには、新聞・テレビに加え、ウェブサイト、SNSなど、多角的な視点から情報を集められるよう情報源を広げることが重要です。ただし、SNSなどは発信元が信頼できるソースかどうかを慎重に見極める必要があります。他には、自身の関心分野や業務に関連するキーワードを設定し、定期的にそれらの情報検索を行う習慣をつけることで、新たな動向に気付くことができます。
データ活用が企業の生命線ともいえる時代に、データを武器に経営課題に立ち向かえる人材は企業からも必要とされます。データ管理・分析スキルを習得することで、客観的な事実に基づく正確な判断が可能になったり、説得力のあるプレゼンテーションができたり、課題解決の糸口が見つけやすくなるなどのメリットがあります。
データの種類や構造、データベースの基礎知識を習得することで、データを適切に扱うための基本的なリテラシーが身に付きます。やや専門性が高いため、オンラインコース等などの受講も効率よく習得できる手段の一つです。また、Excelやデータ可視化ツールを使いこなし、データを視覚的に表現できるようになると、グラフや図で傾向を捉えやすくなり、プレゼンテーションのスキル向上にもつながります。